[目次]
序 007
国フェスことはじめ 007/「国フェス」という呼称について 009/本書の構成 012
第1章 国フェスの社会言語学的研究――意義と方法
1. はじめに 017
2. 国フェス研究の意義 018
3. 国フェスの社会言語学的研究の意義 021
4. 研究の方法 024
4.1 談話(ディスコース)と記号 025
4.2 マルチモーダル談話分析(MDA) 026
4.3 言語景観研究 028
4.4 地理記号論 031
5. 本書の事例研究の位置づけ 032
第2章 調査の手順と国フェス事例の概要――開催の趣旨と経緯
1. はじめに 037
2. 調査の手順 037
3. 国フェスの概要 039
1. ナマステ・インディア 039/2. ブラジルフェスティバル 041/3. ラオスフェスティバル 042/
4. ベトナムフェスティバル 044/5. アイ・ラブ・アイルランド・フェスティバル 044/6. おいしいペルー 045/
7. コートジボワール日本友好Dayアフリカンフェスティバル 045/8. カンボジアフェスティバル 046/
9. 台湾フェスタ 047/10. アラビアンフェスティバル 048/11. ディワリ・イン・ヨコハマ 049/
12. One Love Jamaica Festival 050/13. 日韓交流おまつり 050/14. ミャンマー祭り 051/
15. ベトナムフェスタin神奈川 053/16. その他の国フェス 053
4. 国フェスの傾向と特徴 054
5. 本章のまとめ 057
第3章 国フェスのチラシのマルチモーダル談話分析――A4紙一枚に凝集される国フェス
1. はじめに 063
2. チラシの社会的機能と談話 063
2.1 チラシの社会的機能 063
2.2 チラシと国フェスの談話 064
2.3 分析の手順 066
3. チラシの横断的なMDA 067
3.1 初見の印象と記号資源 067
3.2 構成・空間使用・配置 069
3.3 画とテクストの関係 072
4. チラシの多言語使用についてのMDA 076
4.1 言語の種類 076
4.2 英語の使用 078
4.3 当該国言語の使用 078
5. チラシに凝集される国フェスの談話 080
6. 本章のまとめ 083
第4章 国フェス会場に展開される国名・地名――想像の国家空間
1. はじめに 089
2. 国名 089
2.1 メインテーマとしての国名 091
2.2 「特別なもの」への昇華に付帯する国名 094
3. 都市名 097
3.1 会場内の拠点としての都市名 097
3.2 数詞としての都市名 097
4. 当該国の地名と日本の地名:ベトナムフェスティバルを事例に 099
4.1 他国名の表出 100
4.2 首都名、ハノイの表出 105
4.3 ベトナムの地名と日本の地名 106
5. 本章のまとめ 107
第5章 トークショーでの二言語使用――通訳が介在する相互作用
1. はじめに 113
2. 事例概要 114
3. トークショーの相互作用分析 117
3.1 バイリンガル場面の調整と共有 117
3.2 バイリンガル場面の揺らぎ 121
4. 通訳が欠落する契機と共起すること 126
4.1 通訳が欠落する契機 126
4.2 通訳の欠落に共起すること 127
4.3 各言語で伝達された事柄 128
5. 本章のまとめ 130
第6章 参加型の言語関連活動――文化資本としての当該国言語
1. はじめに 137
2. 出店エリアの言語関連活動 138
3. 参加型の言語関連活動の事例 140
3.1 事例1:日越交流団体によるベトナム語講座 140
3.2 事例2:NGOによるクメール文字体験 144
3.3 事例3:実行委員会によるミャンマー文化体験プログラム 146
4. 文化資本としての当該国言語の可能性 150
5. 本章のまとめ 154
第7章 音楽ライブでの多言語使用――多言語シンガーと観客の相互作用
1. はじめに 159
2. 事例概要 160
3. 楽曲間トークの談話分析 162
3.1 催事・会場との関連づけ 164
3.2 自身の足跡との関連づけ 165
3.3 聴衆との相互作用 168
3.4 楽曲間トークの談話 170
4. 多言語シンガーの談話戦略と台湾原住民言語の位置づけ 171
5. 本章のまとめ 173
第8章 感染症対策を講じた国フェスから見えること――「新しい日常」における国際交流イベントの課題と展望
1. はじめに 179
2. コロナ禍のイベント開催方針と代々木公園の国フェス 179
3. 「新しい日常」のベトナムフェスティバル 2020 181
3.1 会場での新型コロナウイルス感染症対策 182
3.2 感染症対策の事前周知:Facebookを事例に 183
4. 実地調査から見える人々の相互作用 186
4.1 入退場ゲート設置による人の流れの変化 186
4.2 ステージ演目と観客 187
4.3 飲食・物販エリアでの接客コミュニケーション 191
4.4 フリースペースでの人々の動き 195
5. 本章のまとめ 197
第9章 結論――多様性が価値づけられる多言語公共空間形成過程への示唆
1. はじめに 203
2. 各章の結果と考察 204
3. 国フェスの談話:移住者コミュニティと多様性の価値づけの観点から 210
4. 国フェス研究の課題と展望:方法論の観点から 214
コラム
「私が国フェスに惹きつけられる瞬間:インド人フォークアーティストの所作」 034
「公式ホームページの多言語設定:複数言語による情報伝達と各言語の存在感」 059
「少数民族語の存在:ミャンマー祭りに見るシャン語・シャン民族の顕在性」 086
「総合司会者の役割:演目紹介、時間調整、会場案内、通訳、そして危機管理」 110
「実行委員会における当該国出身者の活躍:異文化間コミュニケーターの視点」 132
「ボランティアに期待される言語能力:当該国言語の使用域を広げる可能性」 134
「ある老舗エスニックレストラン店主にとっての国フェス:距離感と解放感」 156
「コロナ禍に思う、越境する音楽の力:韓国打楽器奏者、李昌燮さんの祈り」 176
「コロナ禍のベトナムフェスティバル:つながりを絶やさない留学生達の輪」 200
あとがき 217
引用文献 221
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