絵画における真実

近代化社会に対するセザンヌの実践の意味

[著]永井隆則

「セザンヌには美という観念はなかった。あるのは真実という観念だけだった。」(エミール・ベルナール、1907年10月1日)
何故、何のためにセザンヌは描き続けたのか? 日本を代表するセザンヌ研究者が、画家の存在に関わる究極の問いに答える!

[書評・紹介]
『美術フォーラム21』2022年12月、評者:浅野晴男氏(美術史家)
東京藝術大学お嬢様部 2022年12月28日ツイート
「図書新聞」2022年6月11日、評者:ドニ・クターニュ氏(ポール・セザンヌ協会会長)
『美学』263号(2023年冬)、評者:大木麻利子氏

定価=本体 20,000円+税
2022年3月31日/A5判上製・化粧箱入り/848頁+カラー口絵32頁/ISBN978-4-88303-545-8


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[目次]

はじめに  7

第T部 「絵画における真実」を探求した画家の生涯と作品  19

第U部 創作主体としてのセザンヌ  141
      第1章 書簡に表明された芸術観  143
      第2章 理想郷としての女性表象  185
      第3章 「仕上げ(fini)」の否定と「絵画における真実」の自覚  228

第V部 セザンヌの芸術環境  251
   芸術家
      第1章 過去の巨匠たちとの対話  254
      第2章 印象派の美学とセザンヌ  277
      第3章 ロダンとセザンヌの芸術的連帯  296
   批評家
      第4章 社会参加としてのゾラの美術批評  340
      第5章 ゾラとの共同作業としての芸術観の樹立  370
   コレクター
      第6章 コレクター  414
   工芸家とデザイナー
      第7章 アール・ヌーヴォーと生命主義思想  432
      第8章 セザンヌとモダン・デザイン  456

第W部 セザンヌの「場所」  479
   土地
      第1章 パリ滞在の意味──芸術と自然の弁証法  482
      第2章 セザンヌのアルカディア──プロヴァンス  515
      第3章 ジャズ・ド・ブッファンとセザンヌ絵画の原初的意味  528
   社会
      第4章 セザンヌの社会史研究の可能性  568
      第5章 近代化社会における「感覚の実現」の意味  608

おわりに  657

あとがき  667

Truth in Painting: The Meaning of Cezanne's Practices for a Modernizing Society 1
註  11
文献表(Bibliography)  120
人名索引  153
事項索引  161
引用図版出典一覧  171