[目次]
凡例 ii
地図 iii
ベトナム全土
ランソン省
ヴァンラン県
タンラン社
写真 vii
序論 1
第1節 本書の目的 2
第2節 本書の構成 7
第3節 ベトナム少数民族政策の概観 10
第1項 前近代王朝の周辺諸民族との関わり/ 10
第2項 インドシナ共産党成立後の少数民族政策/ 12
第3項 冷戦期の少数民族政策/ 13
第4項 1990 年代以降の少数民族政策/ 14
第4節 タイー族・ヌン族概況 15
第5節 研究の方法 ― フィールド調査の位置づけ 18
第6節 調査地(ランソン省ヴァンラン県タンラン社)の概要と位置づけ 21
第7節 研究史 23
第1項 タイー族・ヌン族に関する民族学及び歴史学研究/ 23
第2項 壮族研究/ 26
第3項 ベトナム少数民族政策史研究/ 31
序論 注/ 33
第T部 王朝・植民地支配期の “ トー ” ・ “ ヌン ” 47
第1章 ベトナム王朝とフランス植民地支配 49
第1節 阮朝以前 ― ランソン省の土司とその起源 49
第2節 阮朝 ― 土司制度から流官制度へ 51
第1項 阮朝の少数民族政策/ 51
第2項 阮朝期のトアットラン州(ヴァンラン県)の土司/ 53
第3節 フランス植民地支配 54
第1項 植民地統治と土司制度の衰退/ 54
第2項 フランス植民地支配期のトアットラン州(ヴァンラン県)/ 56
第2章 タンラン社入植の歴史と “ トー ” ・ “ ヌン ” の成立 61
第1節 各一族の入植と家譜 61
第2節 地簿 65
第1項 地簿の概略/ 65
第2項 社の境界/ 67
第3項 土地所有状況/ 68
第3節 現在の集落別居住状況〔 2000 年代初頭時点〕 69
第4節 葬儀助け合い組織フェ 72
第1項 フェの仕事/ 72
第2項 フェの組織原理/ 74
第5節 社の俗例(郷約) 76
第6節 “ トー ” と “ ヌン ” の相違 78
第T部 注/ 83
第U部 革命運動とタイー族・ヌン族の貢献 99
第3章 抗仏期 101
第1節 革命世代の変遷 101
第1項 第 1 世代 ホアン・ヴァン・トゥとルオン・ヴァン・チ/ 101
第2項 第 2 世代 ホアン・ヴァン・キエウ/ 106
第2節 タンラン社でのベトミン運動 110
第1項 日本軍の北部仏印「進駐」と村人の秘密活動/ 110
第2項 革命政権の樹立/ 112
第3項 ナーサムの解放とベトミン運動の発展/ 114
第4項 フランスの復帰とホイホアン社への避難/ 115
第3節 村人の抗仏戦争への貢献 116
第1項 タンラン社での抵抗/ 116
第2項 辺境戦役/ 117
第3項 村人の活躍/ 118
第4章 抗米期 124
第1節 タイー族の活躍 ― 自治区の指導者として 124
第1項 越北自治区/ 124
第2項 他の自治区/ 127
第2節 村人の抗米戦争への貢献 129
第U部 注/ 135
第V部 土地政策と土地所有 143
第5章 合作社の設立と解体 146
第1節 八月革命期の土地分配 146
第2節 民主共和国期の土地改革 147
第1項 「民主改革」/ 147
第2項 互助組の成立/ 147
第3節 合作社化の進展 148
第4節 合作社解体と「小作人」の再出現 150
第1項 土地取り戻しと合作社解体/ 150
第2項 土地争いの発生/ 152
第3項 土地なし農民と小作人の再出現/ 154
第4項 「先祖の土地取り戻し」の背景 ― 伝統的な土地所有/ 155
第6章 自由移住の出現 157
第1節 国家の人口再配置計画 157
第2節 自由移住の出現 158
第3節 移住の具体例 160
第4節 自由移住の原因 163
第1項 プッシュ要因/ 163
第2項 プル要因/ 166
第5節 移住先での摩擦と自由移住対策 168
第6節 自由移住の阻止 169
第7節 中部高原における少数民族暴動 171
第8節 自由移住の意味 172
第V部 注/ 174
第W部 教育の変遷 183
第7章 「ベトナム国民化」教育 186
第1節 漢字・漢文教育 186
第2節 フランスによる学校教育の導入 187
第3節 教育の進展 190
第1項 ベトミンによる学校設立とベトナム語識字運動/ 190
第2項 学校教育の発展と識字率・就学率の向上/ 191
第3項 地元出身教員の成長/ 193
第4節 教育レベルの低下 194
第1項 キン族教員の派遣廃止/ 194
第2項 国境貿易の影響/ 197
第5節 政治局 22 号決議の成果と限界 199
第1項 政治局 22 号決議/ 199
第2項 22 号決議の限界/ 200\
第6節 村の秀才 ― ベー・ヴィエット・ダーンの場合 204
第8章 少数民族語(タイー・ヌン語)政策 207
第1節 少数民族語政策の理念 207
第2節 タイー・ヌン語前史 208
第3節 タイー・ヌン語の正書法認定 209
第4節 タイー・ヌン語教育 211
第5節 タイー・ヌン語標準化 212
第6節 タイー・ヌン語普及政策の結果 213
第7節 タイー・ヌン語普及政策失敗の理由 214
第8節 「タイー・ヌン語」が創り出そうとしたもの 217
第9節 最近〔初版刊行時〕のタイー・ヌン語をめぐる動き 219
〔第10節 2010 年代末のタイー・ヌン語をめぐる変容〕 220
第 W 部 注/ 223
第X部 中国との関係 241
第9章 友好期 244
第1節 日本軍侵略下での壮族の避難 ― 未完の「国民」意識 244
第2節 人民解放軍を援助したベトミン ― 「国民」意識形成途上で 245
第1項 越・中の協力関係/ 245
第2項 タイー族にとっての「紅軍援助」/ 247
第10章 関係悪化期 ― 「国民意識」の下で 249
第1節 文化大革命下での壮族の避難 249
第2節 越北自治区廃止 253
第1項 廃止の理由/ 253
第2項 チュー・ヴァン・タンの失脚/ 255
第3節 華僑・華人「帰国」問題と中越戦争 256
第1項 華僑・華人「帰国」問題/ 256
第2項 中越戦争の勃発/ 259
第3項 タンラン社住民の避難/ 261
第4項 ヌン族への警戒心/ 263
第5項 戦争の後遺症/ 264
第11章 関係回復期 266
第1節 中越戦争後の相互往来 266
第1項 親戚づきあい/ 266
第2項 国境貿易の再開/ 267
第3項 定期市/ 270
第2節 婚姻状況の変化〔 1990 年代末当時〕 273
第1項 国境を挟んだ婚姻の増加/ 273
第2項 村内の婚姻状況 ― 新しいヌン族の登場/ 274
〔第3節 ベトナムから中国広西への出稼ぎの拡大 ―21 世紀のグローバル化の進行にともなって〕 277
第X部 注/ 282
結論 293
第1節 まとめ 294
第1項 各部の概要/ 294
第2項 国家の「民族」概念と草の根の民族意識/ 306
第2節 本書の限界と今後の課題 315
結論 注/ 316
附論1 中部高原のタイー族・ヌン族― 1954 年移住組 319
第1節 南へ渡ったタイー族・ヌン族 320
第2節 ベトナム共和国下の暮らし 321
第3節 南北統一後の暮らし 324
第4節 ドイモイ後の暮らし 325
第5節 まとめ 326
附論 1 注/ 328
附論2 儂智高の語り方―中越国境少数民族の「英雄」と国家 335
第1節 儂智高の語り方 337
第1項 中国の場合 ― 「民族の英雄」へ/ 338
第2項 ベトナムの場合/ 339
第2節 中越両側の地元民にとっての儂智高 343
第1項 中国の場合/ 343
第2項 ベトナムの場合/ 346
第3節 自国史と「少数民族の英雄」 347
附論 2 注/ 351
参考文献 358
初版 あとがき 381
増補改訂版 あとがき 385
索引 386
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