レアリスム再考

諸芸術における〈現実〉概念の交叉と横断

[編]松井裕美

レアリスムは時代や地域の「現実」に応じて激しく流動する。
美術史、文学史、写真史、映画史といった人文学諸分野が「レアリスム/リアリズム」とむすんできた関係を考察し、従来、自然の模倣という一元的な視点から議論されてきたこの概念を再検討する。

[書評・紹介]
「図書新聞」2023年8月5日、評者:大久保恭子氏(京都橘大学教授)
『美術手帖』2023年7月、「BOOK」(美術出版社)
『月刊アートコレクターズ』2023年6月、「BOOK GUIDE」(生活の友社)
「TOKYO ART BEAT」2023年3月6日、「今月の読みたい本!」

定価=本体 4,800円+税
2023年2月28日A5判上製/584頁/ISBN978-4-88303-564-9


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[目次]

松井 裕美
序  7

第T部 レアリスムの変容と前衛文化

  セゴレーヌ・ル・メン
  十九世紀におけるレアリスムと前衛――クールベを例として  48

  三浦 篤
  十九世紀フランス絵画と「ポスト・レアリスム」――マネの世代における認識と構成のレアリスムについて  98

  久保 昭博
  反ミメーシスとレアリスム――一九二〇年代の文学と文学理論  130

第U部 オブジェとオブジェクティヴィティ

  山本 友紀
  フェルナン・レジェとレアリスム  158

  河本 真理
  コラージュとレアリスム――〈新しいレアリスム〉のパラダイムと芸術の境界  185

  鈴木 雅雄
  現実的なもの、客観的なもの――シュルレアリスムはいかにフレームを踏み越えたか  227

  松井 裕美
  乱反射する現実――一九六〇・七〇年代英仏美術における日常・主体・ジェンダー  254

第V部 複製技術時代におけるジャンルの横断                          

  中村 翠
  自然主義小説のアダプテーション――舞台、そして映画へ  298

  マックス・ボノム
  一九三〇年代フランスにおけるフォトモンタージュの実践とレアリスムの理論  330

  礒谷 有亮
  美しい世界を捉える美しい写真――アマチュア写真雑誌『フォトシネグラフィ』(一九三三?三六年)に見る
  「レアリスム」  351

  小寺 里枝
  画家と写真機――ジャン・デュビュッフェによる「現実」の探究  382

  須藤 健太郎
  映画における現実・イメージ・モラル――クレール・ドゥニ&セルジュ・ダネー『ジャック・リヴェット、夜警』の
  プロローグから  412

第W部 現実とイデオロギー                                    

  ロミー・ゴラン
  ファシズムのリアリズムは魔術的リアリズムか?  436

  サラ・ウィルソン
  ゴダール、アルチュセール後のヌーヴェル・ヴァーグのレアリスム  473

  マチルド・アルヌー
  真のリアリズムを求めて――ドイツ民主共和国下のオイゲン・ブルーメ、エアハルト・モンデンとヨーゼフ・ボイス 
  496

  池上 裕子
  沖縄のリアリズム――真喜志勉の《大日本帝国復帰記念》展、一九七二年  525

あとがき  559

著訳者紹介  580
欧文目次  II
人名索引  IV
引用図版出典一覧  XVI