ファン・ゴッホ 生成変容史

[著]圀府寺司

誰が「ファン・ゴッホ」を作り上げてきたのか。
無名で亡くなった画家は130年を経るあいだに誰もがその生涯を知り、作品が100億円超で取引されあまたの人が展覧会に詰め掛ける存在にいかにしてなっていったのか。「ファン・ゴッホ」の名声確立と変容の舞台裏全容。

※本書は令和4年度、日本学術振興会、研究成果公開促進費の助成(課題番号 22HP5002)を受けて出版しました。

[書評・紹介]
《図書新聞》2023年11月4日、評者:宮田徹也氏(嵯峨美術大学客員教授)
『文藝春秋』2023年9月、「文藝春秋BOOK倶楽部」評者:原田マハ氏
『月刊アートコレクターズ』2023年8月、「BOOK GUIDE」(生活の友社)
『芸術新潮』2023年7月、「PICK UP 編集部のおすすめ!」(新潮社)
『文藝春秋』2023年12月号、圀府寺司氏・中野京子氏対談「ゴッホとお金の幸運な物語」

定価=本体 4,400円+税
2023年3月31日B5判変型・並製/296頁/ISBN978-4-88303-567-0


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[目次]

序 生成変容史  5

第1章 加筆・改竄・贋作者  画家、画商、批評家、目利きたちの介入  10
   1  最初の「改竄者」、「破壊者」としての「作者」  《夜のカフェ》、《病棟》  10
   2  画家仲間、画商、批評家の関与  作品改竄とジュディット・ジェラールの告発  22
   3  法廷での画商、贋作者、目利き  オットー・ヴァッカー・ファン・ゴッホ贋作事件  43

第2章 遺産相続者  書簡、家計簿  62
   1  相続  書簡の編集あるいは改竄  62
   2  ファン・ゴッホ家の未公開書簡・資料  78
   3  テオとヨーの家計簿  88

第3章 日本人の初期ファン・ゴッホ「巡礼」  96
   1  オーヴェール  ガシェ家の芳名録  97
   2  ファン・ゴッホ家への訪問  西村貞、橋本関雪  100
   3  クレラー = ミュラー・コレクション展( 1929 年)の芳名録  115

第4章 物語  伝記、展示、映像  119
   1  《鴉の群れ飛ぶ麦畑》  物語の結びとしての絶筆神話の生成、伝播、変遷  120
   2  消えた「鴉」と「麦畑」  現代の映像作品における神話の解体と変容  133

第5章 作品伝播の地政学  展覧会、市場、美術館、文化産業  147
   1  展覧会による作品の伝播  149
   2  市場における作品伝播と美術館入り  私的領域から公的領域へ  168
   3  展覧会、美術館入りによる地理的伝播の諸要因  193
   4  展覧会の変質と美術館入りの進展  203
   5  作品価格の変動と作品の移動  215
   6  売買市場から貸借市場への移行と文化産業化  231

結 関与者総覧 & 一研究者の参与観察録  242
   1  関与者総覧  242
   2  一研究者のファン・ゴッホ参与観察録  250

補遺 大石輝一のファン・ゴッホ記念碑  261

註  270
主要参考文献  287
人名索引  293