民衆画の世界

欧州と東アジアを比較する

[編著]原聖

新しい文化史としての比較史研究の試み
市井の人々のあいだで、信仰の対象として、また娯楽として用いられてきた「民衆画」。洋の東西を問わず、今もかたちを変えながら人々の暮らしの中に息づくそれら――日本の絵馬や大津絵、中国の年画、フランスのエピナル版画など――の関係性を俯瞰する。

[書評・紹介]
『美術の窓』2023年7月、No.478、 「新刊案内 BOOKS」(生活の友社)

定価=本体 4,000円+税
2023年3月31日A5判並製/256頁/ISBN978-4-88303-568-7


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[目次]

著者紹介PDF

   まえがき / 原聖  7

第1章 日本の民衆画の諸相――民衆が手にして用いた素朴な絵画 / 久野俊彦  20
   はじめに  20
   1 柳宗悦の民藝運動における「民画」  21
   2 柳が収集した「民画」の概念  23
   3 藤沢衛彦の「民俗版画」  26
   4 出版物・展覧会の「日本の民画」  29
   5 日本の素朴絵と民画  30
   6 「日本の民衆画」の特質と用途・機能  32
   7 民具としての民衆画  34
   8 量産された日本の民衆画  34
   おわりに  41

第2章 奥多野地方における初絵の民俗 / 鈴木英恵  48
   はじめに  48
   1 生活文化となった初絵  49
   2 初絵の作り手とその変化  57
   3 初絵からみた絵の民俗  63
   おわりに  68

第3章 描かれた願いを選ぶ――おいらせ町氣比神社の絵馬市を事例に / 三津山智香  74
   はじめに  74
   1 絵馬市の背景と変遷  77
   2 絵馬の画風・構図の変遷  84
   3 絵馬を選択し、祀り、返す  91
   おわりに  97

第4章 民衆画としての地口行灯 / 加藤紫識  102
   はじめに  102
   1 近世江戸市中の地口行灯  104
   2 現代の地口行灯  107
   3 地口行灯の作り手  110
   おわりに  114

第5章 中国民間版画「竈神図」の地域差について / 三山陵  118
   はじめに  118
   1 竈神信仰と祀竈について  119
   2 竈神図の地域差について  131
   3 暦が付いた民間版画「春牛図」  144
   おわりに  148

第6章 天理参考館の中国民間版画資料について / 中尾徳仁  154
   はじめに  154
   1 天理参考館の紹介  155
   2 当館所蔵の中国民間版画について  156
   3 蒐集の経緯  164
   4 民間版画の調査と整理  167
   5 古い紮糊の発見と版木の新刷  169
   6 天理と東京で開催した企画展  172
   おわりに  173

第7章 リトグラフ民衆画にみる民衆性の定義に関する試論
――ジョルジュ・ビゴーのエピナル版画における日本イメージを例に / 上田あゆみ  176
   はじめに  176
   1 エピナル版画にみる民衆木版画の民衆性  180
   2 植民地省画家ジョルジュ・ビゴーとエピナル版画  184
   3 リトグラフ時代のエピナル版画にみる「民衆性」の拡張  187
   おわりに  197

第8章 民衆画を東西で比較する
――フランスのエピナル版画と日本の大津絵、中国・ベトナム・韓国の年画を題材に / 原聖  204
   はじめに  204
   1 ヨーロッパの民衆画  205
   2 日本の民衆画  213
   3 中国の民衆画  219
   4 ベトナム、韓国の民画  223
   おわりに  228

   あとがき / 原聖  235

      資料「民衆画の世界」展 小冊子――2022年2月17日(木)〜23日(水)/日仏会館