[目次]
はじめに 1
第一章 戦後におけるエミール・ノルデの「非ナチ化」と神話化をめぐって 17
ノルデをめぐる問い 17
ノルデの反ユダヤ主義 21
ノルデの反ユダヤ主義の「発見」 21
ノルデの反ユダヤ主義をどう受け止めるか ― 芸術作品の自律性をめぐる問い 26
ノルデとナチズム ― 第三帝国における「ドイツ美術」をめぐる議論 29
ナチス内部におけるノルデと表現主義の擁護 29
モダン・アート推進派におけるナショナリズム 34
「描かれざる絵」の神話 41
終戦?冷戦期におけるドイツ美術の非ナチ化と国際美術復帰への努力 49
ドイツ占領下における非ナチ化と「退廃芸術」の復権 49
冷戦期における東西の美的規範の対立 ― リアリズムと抽象 53
冷戦期におけるドイツ美術の復権 ― ヴェルナー・ハフトマンとドクメンタ 55
ナチズムの継承? ― 「ドイツ性」とドイツ美術の優位性の主張 64
第二章 第三帝国の「戦争画」を考える 73
戦後における第三帝国の「戦争画」の行方とそれをめぐる問い 73
第三帝国の「戦争画」プロジェクトについて 79
第三帝国の「戦争画」の目的と方針 85
第三帝国の「戦争画」作品 89
第三帝国の「戦争画」とナチズムのイデオロギー 103
イギリスの戦争画との比較 108
( 1 )「男らしさ」の表象 108
( 2 )死の表象 119
第三章 パウル・ルートヴィヒ・トロースト―ナチズム建築の起源をめぐって 131
ナチズム建築の創始者トロースト 131
「総統の第一の建築家」になるまで 134
総統と建築家 141
トローストの「汽船スタイル」 150
「汽船スタイル」からナチスの建築へ 162
保守とモダンの間で 179
第四章 アルベルト・シュペーアの「廃墟価値の理論」 191
ナチズムの建築と廃墟への想像力 191
シュペーアの「廃墟価値の理論」と第三帝国の「建築絵画」 193
廃墟の時間性について 205
持続性とうつろい 205
「断片の昂進」と寓意としての廃墟 207
シュペーアの建築における時間性について 214
シュペーアとロマン主義 214
象徴と未来の形象化としての建築 217
時間と歴史の排除 224
第五章 ナチズムと崇高の美学 231
ナチズムについて崇高を語れるか 231
崇高と政治 ― 近代の崇高論の限界 233
ナチズムにおける「政治の美学化」 ― 「美」か、それとも「崇高」か 242
ナチズムと崇高 248
ナチズム の崇高論 ― 「崇高」か、それとも「妄想」か 248
バークの崇高論とナチズムの崇高 256
崇高における「呈示不可能なもの」と崇高の通俗化 258
あとがき 265
初出一覧 270
図版出典 275
参考文献 285
注 308
索引 313
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