暗示の構造
象徴主義絵画のレトリック

[著者]喜多崎親

絵画の象徴主義を定まった様式ではなく、様々な暗示の方法であると仮定する。
モロー、ゴーガン、ルドン、クノップフ、ミュシャらの絵画が発する複雑で謎めいた効果を「暗示を創り出す画面のレトリック」の視点から考察。

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定価=本体 4,500円+税
2025年2月28日A5判上製/320頁 (カラー口絵8頁+本文312頁)/ISBN978-4-88303-606-6


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[目次]

序論  7
  一 絵画の象徴主義  7
  二 象徴主義美術の理論  11
  三 象徴主義の研究史  27
  四 本書の方法論と研究対象  36

第一章 暗示する文様/ギュスターヴ・モロー作品における線と色彩の乖離  41
  一 問題提起  41
  二 線と色彩の乖離  45
  三 モローのコスチューム観  52
  四 空間への拡大  55
  五 文様の象徴性  61
  六 結論  68

第二章 壁のない幻視/ゴーガンの《説教の幻視》とオーリエ  70
  一 問題提起  70
  二 ゴーガンの《説教の幻視》  71
  三 《説教の幻視》の成立過程  75
  四 オーリエの「絵画における象徴主義 ポール・ゴーガン」  88
  五 オーリエの見る《説教の幻視》  90
  六 結論  98

第三章 コレスポンダンスの核/ルドンの《目を閉じて》の位置  99
  一 問題提起  99
  二 《目を閉じて》のヴァリアント  102
  三 暗示の手法  113
  四 イメージの想起  117
  五 コレスポンダンス  121
  六 結論  124

第四章 物語らぬ挿絵/オディロン・ルドンの版画集『幽霊屋敷』の方法  125
  一 問題提起  125
  二 制作の経緯  126
  三 ブルワー=リットンの原作小説  128
  四 各葉のイメージとテキスト  131
  五 挿絵という問題  145
  六 結論  153

第五章 呼び交わす人物と背景/オディロン・ルドンの《ド・ドムシー男爵夫人の肖像》に見る隠喩的構造  154
  一 問題提起  154
  二 パネルの装飾性  159
  三 光の空間  164
  四 人物と背景  171
  五 視覚的隠喩  182
  六 結論  189

第六章 喚起する類似/フェルナン・クノップフの《青い翼》から《白、黒、金》  190
  一 問題提起  190
  二 ディスクリプション  192
  三 《青い翼》の意味をめぐって  195
  四 《私は私自身に扉の鍵を掛ける》との関係  200
  五 鏡像と神秘  207
  六 結論  218

第七章 暗示する広告/ミュシャのポスターと象徴主義のレトリック  219
  一 問題提起  219
  二 ミュシャのポスターと同時代評  221
  三 ミュシャの商品ポスターと象徴主義絵画  228
  四 叙述の変化  242
  五 結論  244

結論  247

あとがき  253

註   1
文献一覧   33
人名索引   51