[編者]永井隆則 ポスト印象派の巨匠たちは、なぜ独自の表現を追求したのか? 彼らが共有した「ユートピア芸術論」という新たな視点からその深層に迫る。印象派を経験しつつも、近代化社会の矛盾に批判的な眼差しを向け、理想郷を夢見た画家たちの創造的思考を紐解き、美術史におけるその位置付けを再定義する。 【電子書籍版もあります】 定価=本体 6,800円+税 |
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[目次] 序論 第T部 ポスト印象派以前のユートピア 十七世紀イタリアにおける「地上の楽園」の表象 60 十八世紀フランス絵画におけるユートピア――理想の現実化としての庭園 86 変容する記憶と別様の世界――《スキュタイ人のもとに追放されたオウィディウス》から考えるドラクロワのユートピア 111 第U部 ポスト印象派のユートピア セザンヌの郷愁――ユートピア、記憶、幻想 160 ポール・ゴーギャンとブルターニュ――南洋にもたらされた雪景色の追憶 181 2 アナーキズム 202 カミーユ・ピサロにおけるユートピア思想と絵画制作 231 ポール・シニャック――《調和の時代》におけるアナーキズムのユートピア 256 3 自律性と現象学 274 ユートピア/セザンヌ 304 キュビスムにおける「現象学的ユートピア」と劇場空間 329 4 エコー、デザイン、装飾、ジェンダー 354 ユートピアと「女性の芸術」――マリー・ローランサンを中心に 376 マティス作品に向けられたユートピア的まなざし――マシュー・ステュアート・プリチャードの思索 408 あとがき 431 |
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