遅刻の誕生
近代日本における時間意識の形成

[編著者]橋本毅彦栗山茂久

いつから時計が気になるようになったのか。
明治6年1月1日をもって、日本は太陽暦、定時法の社会へと転換した。鉄道、工場、学校における時間規律の導入はいかにして行なわれ、そして、人々の生活をどのように変えていったのか。現在に至るまでの、時間意識の変遷をたどる。

[書評]
《朝日新聞》「天声人語」、2009年12月26日→記事を読む
《朝日新聞》「天声人語」、2014年3月22日

定価=本体 3,800円+税
2001年8月25日/A5判上製
/257頁/ISBN978-4-88303-083-5

 



[目次]
序文 3

第1部 定刻志向──鉄道がもたらしたもの 15
 第1章 近代日本における鉄道と時間意識(中村尚史) 17
 第2章 一九二〇年代における鉄道の時間革命──自動連結器取替に関連して(竹村民郎) 47

第2部 時間厳守と効率性──新労働管理の発展 77
 第3章 近世の地域社会における時間(森下徹) 79
 第4章 二つの時刻、三つの労働時間(鈴木淳) 99
 第5章 蒲鉾から羊羹へ──科学的管理法導入と日本人の時間規律(橋本毅彦) 123

第3部 時間の無駄のない生活──子供の教育と主婦の修養 155
 第6章 子供に時間厳守を教える──小学校の内と外(西本郁子) 157
 第7章 家庭領域への規律時間思想の浸透 羽仁もと子を事例として(伊藤美登里) 189

第4部 新暦と時計の普及──近代的タイム・フレームの形成 211
 第8章 明治改暦と時間の近代化(川和田晶子) 213
 第9章 歳時記の時間(長谷川櫂) 241
 第10章 明治時代における時計の普及(内田星美) 267

第5部 時間のゆくえ 289
 第11章 農村の時間と空間──時間地理学的考察(荒井良雄) 291
 第12章 「時は金なり」のなぞ(栗山茂久) 321

文献解題 時間を考えるための五〇の文献(橋本毅彦) 345


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