トーマス・マン物語 I
少年時代からノーベル文学賞まで

[著者]クラウス・ハープレヒト
[訳者]岡田浩平

トーマス・マン――人物の徹底した解剖により、作品と時代がみえてくる。
現代ドイツ文学の最高峰トーマス・マンを膨大な資料(作品・時評・日記・書簡など)を縦横に駆使して、あくまでその人物像に迫ろうとする伝記物語。本巻では、少年時代から第一次世界大戦をはさみ、ノーベル賞受賞、ヒトラーの権力奪取――ファシズムの台頭という時代状況におされて、マンの発言に重みがましていく――までの時期をあつかう。

定価=本体 7,800円+税
2005年3月25日/A5判上製/667頁/ ISBN978-4-88303-152-8

 


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[目次]

まえがき 6

序章 市民と死んだ猫 11
第1章 人形芝居 27
第2章 小さなプリンス 40
第3章 気を揉ませる母、あるいはエキゾチックな魅力 51
第4章 裏切られるばかりで、愛はなし 59
第5章 犬を鎖に 70
第6章 女性恐怖症、自己憐憫 85
第7章 無邪気な賢さの勝利 93
第8章 忍耐の試練 103
第9章 慢性的な思春期 112
第10章 トリスタン、トリスタン、トリスタン 122
第11章 友情の幸せと苦痛 131
第12章  『トーニオ・クレーゲル』、あるいは芸術という宗教 140
第13章 偉大なものになろうと決めて 151
第14章 詩人にしてプリンス 162
第15章 最初の兄弟戦争 173
第16章 城に迎え入れられる 185                      
第17章 市民的な決断 195
第18章 少年、子供、プリンセス 203
第19章 目標に到達 212                          
第20章 それほど楽しいものではなかった 220                
第21章 社会通念とスキャンダル 228
第22章 罪業の道 242
第23章 偉大さと「厳しき幸せ」 254
第24章 もろもろの序曲 268                       
第25章 家の主・家族の主 281                        
第26章 古典の影 299
第27章 告白、病気、危機のこと 311
第28章 転 落 326
第29章 戦時中の日々 344
第30章 ドイツの特別な道で 353
第31章 十字架、死と地下の墓所 362
第32章 失敗した和解の試み 381
第33章 牧歌的な環境に逃げる 392
第34章 無秩序 404
第35章 魔 王 413
第36章 エピソード 426
第37章 姿勢の転換 438
第38章 時代のあいだで 449
第39章 魔の山 462
第40章 五〇歳 480
第41章 落ちつかない過渡期 498
第42章 聖書の楽しさ―ドイツの苦悩 518
第43章 芸術アカデミーの混乱・その他の混乱 535
第44章 目にみえる祝福―目にみえない危険 546
第45章 ノーベル賞 559
第46章 危険のシグナル 571
第47章 ゲーテによる救済 589
第48章 時代の子供たち 599
第49章 リヒャルト・ワーグナーの影 607

訳者あとがき 624


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