トーマス・マン物語 II
亡命時代のトーマス・マン

[著者]クラウス・ハープレヒト
[訳者]岡田浩平

「私のいるところに、ドイツがある」
―― 祖国ドイツを追われて異国暮らしを強いられるトーマス・マン。
本巻では、1933年2月ヒトラー政権誕生直後から第二次世界大戦末期までの12年間、フランス、スイス、アメリカにおける亡命時代―ヒトラー・ドイツに対する意見を公表するかどうかに逡巡するトーマス・マン、公表したのちの積極的な発言や行動、ドイツ亡命者内で果たした役割、とりわけブレヒトとの確執、過酷な状況にあっても寸暇を見つけては小説を書き進めようとする作家としての執念など。波瀾の時代を生きるトーマス・マンの姿をあつかう。

定価=本体 7,800円+税
2006年4月28日/A5判上製/656頁/ISBN978-4-88303-177-1

 


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[目次]
第50章 国外にて 9
第51章 地中海における幕間劇 34
第52章 『結集』 50
第53章 なかば亡命状態 64
第54章 試練 87
第55章 仰ぎみる 107
第56章 誤解 122
第57章 態度の明確化 136
第58章 ボンへの手紙 149
第59章 価値と節度 175
第60章 人民戦線 188
第61章 ヨーハン・ヴォルフガング・フォン・マン 201
第62章 ふたたびワーグナー――アメリカ移住に向けて 214
第63章 「私のいるところに、ドイツがある」 223
第64章 移住のこと 235
第65章 『兄弟ヒトラー』 245
第66章 亡命の苦境 261
第67章 宣言と行動 275
第68章 新世界の「ヘル・ドクトル!」 288
第69章 プリンストンの聖杯 300
第70章 別れの夏 314
第71章 カタストローフ 326
第72章 嘆き、告発、言いわけ 338
第73章 六五歳 357
第74章 遠方の嵐 370
第75章 ホワイト・ハウス 391
第76章 カリフォルニアの兄弟的親密さ 406
第77章 ロシア、パトロン、家 419
第78章 たいそうな手紙 433
第79章 戦時中のアメリカ――「ハリウッドのゲーテ」 455
第80章 ブルジョア的な自己嫌悪 466
第81章 アメリカへの疑問 483
第82章 太平洋岸のワーグナー 493
第83章 『ヨゼフ物語』の終曲――『ファウストゥス博士』の序曲 510
第84章 エルンスト・ロイターのアピール 532
第85章 トーマス・マン対ブレヒト 545
第86章 ドイツ的な深淵―ルター的な奈落 563
第87章 デーモンの時代 578
第88章 ヘタエラ・エスメラルダ 589
第89章 悪魔との会話 599
第90章 ネリーの死と絹のヤッケ 614

訳者あとがき 625


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