トーマス・マン物語 III
晩年のトーマス・マン

[著者]クラウス・ハープレヒト
[訳者]岡田浩平

ナチス・ドイツの崩壊――
第二次大戦の終焉ののちも故国に帰れ(帰ら)なかったトーマス・マン。
本巻では、1945年2月ドイツ敗戦の直前から、1955年8月トーマスが80歳で亡くなるまでの10年間をあつかう。祖国ドイツ訪問へのためらいとようやくの実現。肺癌の手術で一時中断に追い込まれながらも完成にこぎつけた長編『ファウストゥス博士』。アメリカ滞在を諦めてスイスに終の住処を見出すなど、最晩年のトーマス・マンの姿をあつかう。

定価=本体 7,800円+税
2008年11月30日/A5判上製/624頁/ISBN978-4-88303-230-3
 


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[目次]
第91章 『ドイツとドイツ人』  9
第92章 ゲルマーニアの終焉――大げさな慶事  20
第93章 間違ったトーンばかり  32
第94章 聞く耳もたない人びととの対話  50
第95章 ルサンチマンの応酬  62
第96章 ゼロ時などなかった  74
第97章 病気の影  88
第98章 癌  104
第99章 エキゾチズム  114
第100章 祭儀的な犠牲者  131
第101章 ニーチェ、あるいは昨日のシグナル  145
第102章 ドイツの憤慨とスイスの幸運  160
第103章 誤解と張りつめた気分  170
第104章 アメリカに違和感  179
第105章 『ファウストゥス博士』とフラドシン宮殿の影  191
第106章 冷戦  204
第107章 ゲーテと平和のための戦い  223
第108章 影に向かう旅  240
第109章 服喪――そしてドイツに少しは心をひらく  248
第110章 おおやけの祖国訪問(そのT)  258
第111章 おおやけの祖国訪問(そのU)  270
第112章 オルベルク宛ての書簡  288
第113章 ハインリヒの死、アメリカとの決別  304
第114章 七五歳  321
第115章 病原体(心に波風を起こすもの)  336
第116章 危機の年  348
第117章 二つの生活  362
第118章 時代の基本的愚行  372
第119章 ウルブリヒト宛ての手紙  387
第120章 老年の憂鬱  399
第121章 東ベルリンにおける既成事実  411
第122章 振り返ることなく  424
第123章 ウィーンの災難  433
第124章 漁師の指輪に口づけ  449
第125章 一種の帰郷(には違いない)  461
第126章 語りと沈黙  470
第127章 最後の家  479
第128章 東の好意―西の腹立ち  490
第129章 二重の自画像  505
第130章 大公殿下  518
第131章 最後の祝いごと  530
第132章 最期  537

訳者あとがき  548
作品索引(全巻/執筆年・完成年の順)  LX
作品索引(全巻/五十音順)  LI
人名索引(全巻)  I


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