作品とコンテクスト
ベックリーン《死の島》
自己の英雄視と西洋文化の最後の調べ

[著者]フランツ・ツェルガー
[訳者]高阪一治

画家はそこにたどり着こうと試みた
都市の憂愁から逃れ静寂な「死の島」へ

世紀末、ベックリーンは都市文明への不信感から、最後の逃走の地(自らの埋葬地)として、古代的神秘をたたえたこの孤島を描いた。高貴な孤独へといざなうこの図像のイメージ喚起力は、絵画にとどまらない影響と変奏を現在も生み続けている。

定価=本体 2,200円+税
2008年8月30日四六判並製/126頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-233-4

※本書は、1998年に小社から刊行された同書のカバーデザインを新しくしたものです。


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[目次]
第1章 風景の記念碑5
第2章 数点の《死の島》11
第3章 範となる作例19
第4章 無常という主題と文明に対するペシミズム27
第5章 戦争とペスト、すなわち生あるものすべての壊滅45
第6章 《死の島》と《生の島》、ひとつの比較53
第7章 英雄の墓61
第8章 荘重な最後の調べ69
第9章 社会・政治的背景75
第10章 受容83

訳者解説95
注109
ベックリーン年譜115
ヨーロッパ美術館所蔵のベックリーン絵画概要117
参考文献120
展覧会カタログ122
図版典拠123

(表題作品のカラー折込図版を巻末に収録)


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