[新装版]正しさへの問い
批判的社会言語学の試み

[著者]野呂香代子山下仁

「ことば」をとりまく、無批判に受容されている価値観や、いわゆる権威に保証された規準・規範を今一度疑ってみること。そこから見えてくるものは、何か!そもそも「正しさ」とは、政治的・経済的・文化的な利害関係が交錯する社会のなかでつくられたものにすぎない。「正しい」日本語、「正しい」敬語、「正しい」ことばづかい、といった、その「正しさ」のからくりに迫る試み。

定価=本体 2,800円+税
2009年6月30日/
A5判並製/260頁/ISBN978-4-88303-247-1
 


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[目次]
 
1章 クリティカル・ディスコース・アナリシス   野呂香代子
     1. はじめに
     2. CDAとは何か
     3. CDAと談話分析研究
     4. CDAのアプローチ
     5. 最後に
  2章 敬語研究のイデオロギー批判   山下仁
     1. はじめに
     2. 20世紀初めの敬語研究の語り
     3. 菊地康人の敬語論
     4. 敬語研究の語りの特徴
     5. 欧米の敬語研究との比較
  3章 ネイティブスピーカー再考   大平未央子
     1. はじめに
     2. ネイティブスピーカーの定義と位置づけ
     3.  ネイティブスピーカーとノンネイティブスピーカー
     4. 相互行為能力と相互行為の協働的構築
     5. おわりに
 
4章 「総聯朝鮮語」の基礎的研究―そのイデオロギーと実際の重層性   植田晃次
     1. はじめに
     2. 先行研究
     3. 朝鮮語の規範語とその変種
     4. 朝鮮民主主義人民共和国における言語観・朝鮮語観
     5. 日本における民族学校とその言語教育
     6. あるべき朝鮮人像
     7. 実際の朝鮮語像
     8. おわりに
 
5章 ブラジル日系人の言語使用   松尾慎
     1. 研究の背景と目的
     2. ブラジル日系人にとっての日本語
     3. フィールド調査の概要
     4. フィールド調査結果
     5. 言語使用を規定する要因
     6. むすび
 
6章 「異文化間交流」の実際―滞日留学生と日本人の相互行為分析から   吉川友子
     1. はじめに
     2. 分析のための概念
     3. 談話資料
     4. 考察
     5. おわりに
 
7章 地域日本語教育の批判的再検討―ボランティアの語りに見られるカテゴリー化を通して   森本郁代
     1. はじめに
     2. 日本語ボランティア活動の現状
     3. カテゴリー化
     4. 地域日本語ボランティア教室の現場から
     5. 分析
     6. 「先生−生徒」という権力関係
     7. おわりに

 解説 西口光一


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