ことばとセクシュアリティ

[著者]D・カメロンD・クーリック
[訳者]中村桃子熊谷滋子佐藤響子クレア・マリィ

セクシュアリティはいかに語られてきたのか。私たちは、政治・経済的支配関係の中でディスコースによって与えられた意味にしたがって、性的自分や性的経験を理解し、また性実践を行っている。自明とされる規範としての異性愛を批判的に検討し、「欲望の社会記号論」によって言語研究に社会の権力構造における抑圧、矛盾、沈黙をも取り入れていこうとする試み。

定価=本体 2,600円+税
2009年10月10日/四六判並製/320頁/ISBN978-4-88303-252-5
 


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[目次]
 
はじめに  7

 第1章 つながりを作る  21
     性、ジェンダー、セクシュアリティ  21
     セクシュアリティ―重要点のいくつか  31
     言語とセクシュアリティ  36
     本書の構成  40
  第2章 セックスを語る、セックスを考える――セクシュアリティの言語的、ディスコース的構築  43
     セクシュアリティを定義する――ことばの力  49
     名前の中に何があるのか? 名づけることの政治性  60
     「そして彼がわたしにキスをした」――セックス、ジェンダー、主観性と主体性  68
     主体、責任、同意  76
     結論  90
  第3章 ジェンダーはセックスとどう関係しているのか? 言語、異性愛そして異性愛規範  97
     家父長制としての異性愛――ラディカル・フェミニスト分析  98
     ことば、ジェンダー、強制的異性愛  103
     クィアの挑戦―ジェンダーとセクシュアリティを分けること  109
     ジェンダーを指標する  118
          例(1)―性的意味を構築するためにジェンダー化されたスタイルを使う  123
          例(2)―セックスについて語ることでジェンダーを行う  129
          例(3)―ジェンダーについて語ることで異性愛を行う  133
          例(4)―発達段階での責務としての異性愛  140
     結論  145
 第4章 アイデンティティとしてのセクシュアリティ――ゲイとレズビアンのことば  149
     同性愛語彙集(ラベンダーレキシコン)  156
     「ゲイことば」  170
     クィアとして立ちあらわれる  188
     結論 アイデンティティを超えて  196
 第5章 アイデンティティを超えて――ことばと欲望の関係  203
     欲望の諸理論  207
     欲望する主体  215
     欲望の抑圧と社会化  221
     偽造することとみせかけること―意図を超えて  231
     結論  243
  第6章 言語とセクシュアリティ――理論、研究および政治  247
     文脈上のアイデンティティ  248
     アイデンティティの問題  254
     欲望、アイデンティティ、権力  258
     セクシュアリティとジェンダー  262
     セクシュアリティと差異  265
     理論とセクシュアリティ  271
     政治  276

 訳者解説/中村桃子  285
 参考文献  309
 索引  320


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