|         [目次] 序論 あの頃の台湾──本書を読み進めるために/所澤潤 009
 第一章 戦後台湾における日本語と日本イメージ/松永正義 045 第二章 植民地体制下の台湾の民謡──民謡に見る「場所」と「空間」/陳培豊 061一 はじめに 061
 二 日本統治期、「台湾」を情景とする楽曲の出現 062
 三 新民謡運動から見た「庶民」と「国民」 072
 四 新たな外来政権下の「民謡」 078
 五 「場所」の主体化と「空間」のツール化 084
 六 結論 095
 第三章 歌謡、歌謡曲集、雑誌の流通──中野忠晴と「日本歌謡学院」の戦後初期台日に対する文化を越えた影響/石計生(田上智宜/訳) 101
 一 はじめに 101
 二 歴史と歌謡曲伝播の経路?―?中野忠晴、「日本歌謡学院」と台湾 104
 三 「愛唱歌時代」―?歌手であり作曲家である中野忠晴の歌謡曲と、台湾人歌手によるカバー 112
 四 「日本歌謡学院」の国境を越えた影響 117
 五 『週刊明星』、『週刊平凡』と付録歌謡曲集の国境を越えた影響 121
 六 結論 124
 第四章 台湾における石原裕次郎の影響/四方田犬彦 133一 芸術映画(A級)とローカル映画(B級) 133
 二 一九四五年以降の台湾の映画事情 137
 三 日活アクションと石原裕次郎 141
 四 台湾で公開された裕次郎映画 144
 五 『金門島にかける橋』 145
 六 『温泉郷的吉他』 152
 七 結語 154
 第五章 現代台湾映画における「日本時代」の語り──『セデック・バレ』・『大稲?』・『KANO』を中心に/赤松美和子 157
 一 はじめに?―?「日本時代」を創作源とする現代台湾映画 157
 二 『海角七号』以前の「日本時代」表象 160
 三 『セデック・バレ』における「日本時代」の語り方 167
 四 『大稲?』の語りとノスタルジア 174
 五 おわりに?―?現代台湾映画における「日本時代」の語り 181
 第六章 台湾女性エリートの意識の形成とその変・不変──台湾人看護師を例に/蔡尓p(高田友紀/監訳・中村剛福/訳) 191
 一 はじめに 191
 二 女性の就業背景 194
 三 日本統治期における台湾人看護師の育成及びエリート意識の形成 197
 四 戦後における看護師のエリート意識の変・不変 206
 五 結論 213
 第七章 植民地時代の遺構をめぐる価値の生成と「日本」の位相──台湾における日本式木造家屋群の保存活動を事例として/石井清輝 225
 一 はじめに 研究の背景と目的 225
 二 自然保護から複合的な「地域性」の保存へ?―?台北市青田街の事例 226
 三 「地域資本」としての日本式家屋群―?花蓮市「将軍府」の事例 233
 四 「日本」の発見と再定位―?集合的記憶と文化的異質性の観点から 240
 五 おわりに 現在の保存活動の争点と今後の研究課題 245
 第八章 湾生日本人同窓会とその台湾母校──日本人引揚者の故郷の念と台湾人の郷土意識が織りなす学校記憶/林初梅 253
 一 はじめに 253
 二 戦後初期の台湾における日本時代の「記憶の場」? 256
 三 戦後日本人の台湾引き揚げと同窓会の結成 262
 四 旧台南一中同窓会「南中会」と現在の台南二中 274
 五 郷土意識の変容による学校記憶の共有化 281
 六 結び 288
 あとがき 298 |