[目次]
はじめに 19
今とは違った生活――一九〇〇年頃の世界スケッチ 28
第T部 発展のプロット
第一章 政治文化の歴史的伝統 45
第一節 「壁にプディングを釘留めするようなものでしかない」 45
第二節 二つの形成的な局面――バロックとヨーゼフ主義 47
第三節 世紀の転換期頃の濃縮増幅 55
第四節 陣営文化――国の祝日の場合 59
儀礼的ポーズと儀式のレパートリー/ 61 部分文化のレトリック/ 65
第五節 ナチズムの政治文化 69
第六節 デモクラシーの洪水? 75
第二章 数の戯れ――人口 79
第一節 人口移動 80
第二節 誕生と死亡 87
第三節 伸びる寿命 91
第三章 経済成長――数の戯れをもう一つ 95
第一節 地方の工業化 95
第二節 構造の断裂 97
第三節 消費社会の限界 100
第四節 経済構造のなかの変動 103
第五節 失業という亡霊 106
第四章 階級と社会階層 111
第一節 簡潔な概念規定 111
第二節 最初の接近 113
第三節 ブルジョアジー――市民階層 118
第四節 労働者階級 126
社会民主党系ミリュー/ 131 階級闘争の彼方で/ 138
第五節 貴族 141
第六節 農民 149
農民の伝統的な暮らし方/ 149 多様な生活条件に適応した集団と資産の大きさ/ 151
職業身分それとも階級?/ 145 「ファーマー」(比較的大規模経営の農家)への道/ 160
第七節 商工業 162
社会保護主義と「中産階級」/ 162 商工業のプロテストと中間層的自意識/ 166
第八節 サラリーマン 144
襟カラーによる区別ライン/ 174
近代化のエージェント、それとも職業身分的な自負心の表れ?/ 178 接近/ 182
第五章 政治陣営 187
第一節 陣営の形成 189
キリスト教「社会」派/ 190 ドイツ・ナショナル〈民族〉派/ 193 社会民主主義者たち/ 197
第二節 密集と分散 201
キリスト教「社会」派/国民党/ 205 社会民主党員/革命的社会主義者/ SPO / 215
大ドイツ主義/農村同盟/独立連名/ FPO / 230
第三節 政治と生活のチャンス 242
第六章 矛盾したプロセス――オーストリアの国民形成 245
第一節 二重のアイデンティティー 245
第二節 「オーストリア的人間」 251
第三節 生みの苦しみ 259
第七章 大衆文化 265
第一節 ビートルズ、あるいは文化論的な論考の多様性 265
第二節 はじまり 267
自転車/ 268 自動車/ 268 映画館/ 273 ラジオ/ 278 スポーツ/ 279
フォークロア(民間伝承)/ 284
第三節 普遍的文化の展開 285
第U部 君主制時代
第一章 組織化した資本主義 295
第一節 経済各分野――構造的な考察 300
農業/ 302 工業と手工業/ 306 小売業、交通、サービス業/ 312
第二節 経済政策 316
第三節 戦時経済 319
組織化の遅れと遅々とした歩み/ 320 生産力の低下/ 324
階級社会とコーポラティズム的な政策/ 327
第二章 支配体制――王朝的・官僚的官憲国家 333
第一節 神の加護あれ、王室に 338
第二節 玉座と祭壇――教会 341
第三節 物いわぬ大きな存在――軍隊 348
第四節 日常の支配者――官僚機構 353
第五節 皇帝に依存する政府 358
第六節 たえざる危機にある議会 366
第七節 強者のゲーム――外交 370
戦争政策/ 373
第三章 世紀末の芸術 381
第一節 教養市民層と芸術 381
第二節 ウィーンのモダニズム 385
第三節 四つの例――マーラー、フロイト、ムージル、ロース 394
グスタフ・マーラーの『第三交響曲』/ 394 ジグムント・フロイトの『夢の解釈』/ 396
ロベルト・ムージル『若きテルレスの惑い』(一九〇六年)/ 399
建築家アドルフ・ロースのミヒャエラー・プラッツの家(一九一〇/一一年)/ 401
第四節 「女」という謎 403
第V部 第一共和制
第一章 断絶の演出――オーストリア革命 411
第一節 政治的革命 411
君主制の崩壊/ 411 新しい国家形成のプロセス/ 418
サン・ジェルマンと国境線(一九一九年)/ 423
第二節 社会的革命 428
第三節 経済構造の断絶 433
第二章 安定化を脅かすもの 435
第一節 経済の停滞 436
戦後のインフレーション(一九一八〜二二年)/ 438
契機の緩慢な上昇(一九二二〜二九年)/ 442
第二節 政治的な緊張 444
政治的な暴力の次元/ 448 「防郷団」と「共和国防衛同盟」/ 450 イデオロギーの次元/ 454
第三章 世界経済危機とデモクラシーの危機 457
第一節 リスク――工場の墓場 457
第二節 間歇的に飛びだすクーデタ 465
第三節 危機のシナリオ 474
第四章 ドイツ人のキリスト教的連邦国家――「オーストロ・ファシズム」 479
第一節 権威主義的な、それともファシズム的な? 480
第二節 カトリックの夢――「身分」対「階級」 486
第三節 内政上の敵と外交上の敵 490
第五章 中心地から芸術の田舎へと 501
第一節 政治から遠く、また近く 501
第二節 ネオ・バロックと時期はずれの啓蒙主義 508
第三節 権威主義的な性格――ハンス・ゼップ、ベネディクト・プファフ、オスカー、マリウス・ラッティ 515
第W部 ナチズム支配
第一章 併合(アンシュルス) 521
第一節 権力奪取の次元 523
擬似革命的な権力奪取――下からの「併合」/ 523
ドイツ国家の帝国主義的な干渉――外からのアンシュルス/ 529
一見合法的な権力奪取――上からのアンシュルス/ 531
第二節 恒常的な民族の祭典――一九三八年四月一〇日の国民投票 532
第二章 逆行的な近代化 537
第一節 平和ブームとナチ戦争経済 543
国家の管理下の「農民の状態」/ 548 ナチズムの経済秩序/ 551
第二節 体制統合と社会の動員 552
第三章 権力の構図 561
第一節 オーストリア邦、オストマルク、アルペン・ライヒスガウおよびドナウ・ライヒスガウ 561
第二節 中核と周辺――支配の担い手たち 567
ナチ党= SS /ゲシュタポ=連結/ 571 国防軍/ カトリック教会/ 582
第四章 死のさまざまな顔
――またいかに国民がナチズムに熱狂し、ナチズムに耐え、ナチズムと戦ったか 587
第一節 ユダヤ人、ロマ族、病人の迫害 589
第二節 ダンスに恋愛、そして働く、二人の若い娘のこと 569
第三節 農村的なミリューや都市の若者たちの間における反抗的な態度 598
第四節 抵抗運動 602
第X部 第二共和制
第一章 逆もどり 611
第二章 戦後世界 617
第一節 連合国のオーストリア計画と戦争の終結 617
第二節 レナー臨時政府、解放と占領という狡い論法 622
第三節 経済再建の基盤 630
第四節 フォーグル政府と占領時代の強制圧力 643
第五節 非ナチ化措置 649
第三章 長い五〇年代 659
第一節 保守的な文化パラダイムと対照的なアメリカ的大衆文化 661
第二節 中庸の喪失、オーストリア的秩序のもとでの芸術 666
第三節 大きな飛躍 678
第四節 ポストの比例配分的デモクラシー 685
大連立の時代(一九四七〜六六年)/ 688 国家条約と中立主義/ 698
第四章 社会/自由=連立時代――反権威主義の波と消費社会の欲望 705
第一節 節目――六〇年代なかばと八〇年代なかば 705
第二節 もっと多くのデモクラシーを 711
クラウスとチーム・スタッフ/ 711 クライスキーとそのチーム/ 718
ダイナミックな中立主義/ 726
第三節 オーストロ・ケインズ主義――オーストリアは如何にして危機を先延ばししたか 728
第四節 父親に対する反抗――文化革命 734
オーストリアへの意地悪な視線/ 734
抑圧されていたものの取りもどし――「ウィーン行動主義」/ 743
一九八〇年頃の生活状態 749
訳者あとがき 757
一九世紀以降のオーストリア歴史年表 099
原註 060
参考文献 020
事項索引 012
人名索引 001
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