オリジナルとコピー

16世紀および17世紀における複製画の変遷

[編著]小佐野重利
[監訳]浦一章

所有の欲望をみたす複製画の諸相
権力者が所望する原作(オリジナル)を所有者は恭順のしるしに献上し、権力者は召し上げた作品の代わりに下賜する複製画(コピー)を画家に発注する―こうした事例のように、収集熱が高まった時代、高位聖職者、王侯貴族、裕福な商人たちにとって傑作の複製は大きな意味をもっていた。これまで関心のそとに置かれがちだった複製画に着目して行われた一次資料の詳しい調査が、芸術都市フィレンツェにおける美術作品をめぐる生々しい営みを浮かび上がらせる。

定価=本体 3,500円+税
2019年5月31日/B5判変形並製/136頁/ISBN978-4-88303-489-5


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[目次]

日本語版のために  5

本書紹介  7
フランチェスカ・デ・ルーカ/永井 裕子[翻訳]

第1章 複製絵画史の一般概説  9
小佐野 重利

第2章 17 、 18 世紀のトスカナ大公国の絵画収集における複製絵画  21
――メディチ家フェルディナンド大公子の収集家としての情熱について
小佐野 重利

第3章 フィリッポ・バルディヌッチ『素描家消息』に描写された  57
ヤコポ・ダ・エンポリの複製制作と17世紀メディチ家の収集活動
伊藤 拓真

資料編
ルチア・アクイーノ、シモーネ・ジョルダーニ[編集]/浦 一章、永井 裕子[翻訳]  83

文献一覧  128

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