オスカー・ワイルドとコーヒータイム

[著者]マーリン・ホランド
[まえがき]
サイモン・キャロウ
[訳者]
前沢浩子

「悪魔の辞典」のごときしゃれた警句で世に知られるオスカー・ワイルド。かれはヴィクトリア朝ロンドンの伊達男そのものだった。ただしそれは愚かな名誉毀損訴訟を起こし、悲劇的な破滅に追い込まれるまでのこと。とはいえ「同性愛の罪」による投獄だけで、歴史に刻まれたわけではない。『ドリアン・グレイの肖像』『真面目が肝心』『サロメ』など珠玉の作品がワイルドの名を不朽のものとしている。
さあ、彼自身に語ってもらいましょう。
作者マーリン・ホランドは、ワイルドの血を引く唯一の孫であり、20年以上にわたり祖父の生涯と作品についての研究をおこなってきた。その“悪名馳せる”がゆえに祖父の名を奪われた実の孫が架空のインタビューをする、という“皮肉”な設定は、ワイルドの残酷な運命と没後の世界的な影響力を知るうえで、おあつらえむきとも言えるだろう。

定価=本体 1,500円+税
2019年12月5 日/四六判変型上製/144 頁/ISBN978-4-88303-499-4


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[目次]

まえがき  サイモン・キャロウ 4
はじめに 8
オスカー・ワイルド(1854-1900)小伝 12
オスカー・ワイルドとコーヒータイム 27
  ワイルド氏登場 28
  ギリシア語を学んで 35
  美学の教授 42
  アメリカとの出会い 48
  ほぼきちんとした生活 55
  ミドルクラスに与えた衝撃 61
  黒豹たちとの宴 67
  危険な友情 75
  名誉毀損裁判 82
  汚名にまみれた唯美主義者 93
  獄中の物書き 101
  名ばかりの自由 108
  最終幕 116
  没後 125

参考文献 133
索引 135
訳者あとがき  138


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