平和学と歴史学

アナキズムの可能性

[著者]戸田三三冬
[解題]田中ひかる

エッリーコ・マラテスタを中心とするイタリア社会主義(アナキズム)史の膨大な史料・文献に基づく緻密な先駆的研究の上に、「構造的暴力」と「積極的平和」、世界システム論、フェミニズム、「萃点の移動」、「40億年の私の生命」、禅の呼吸、エンパワメントとエクスポージャー、ロングハウスデモクラシー、身土不二など、多様な考え方と実践を取り込み構想された平和学の中で、「いまここ」の「方法」としてアナキズムが描き出される 。

定価=本体 6,500円+税
2020年8月31日/A5判並製/602頁/ISBN978-4-88303-512-0


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[目次]

第一部  地球市民の平和学
   平和の方法としてのアナキズム――ひとつのデッサン  3
   地球民主主義の芽  23
   地球市民への道  39
   エンパワメントとエクスポージャーの平和学  55
   もう一つの世界を求めて  79
   平和学≠めざして  101
   補遺 1
   夢――少数民族の人権・エコロジーとアナキズム  125
   補遺 2
   ユートピアの実験――モンテヴィデオにおける共同体  143

第二部  ナポリ青年群像 ―― エッリーコ・マラテスタ序章
   南欧からの手紙 エッリーコ・マラテスタをめぐることども――一九七六年夏 ミュンヘンにて  173
   一八七一年 ナポリ青年群像――エッリーコ・マラテスタ序章  203
   ナポリ《ラ・カムパーナ》考(その一)  255
   ナポリ《ラ・カムパーナ》考(その二)  291
   マテーゼ蜂起(一八七七年)とアンナ・イングレーゼのこと  341
   チェルノブイリの年に  355
   リビアとイタリア  361
   女性・エコロジー・第三世界――南・北イタリアからの視点  383
   反ファシズム青年群像素描――二〇世紀初頭のイタリア文化とグラムシ  399
   第一次世界大戦とイタリアの戦後若者文化(一九一八―一九二〇)  411
   ナポリ文書館生活素描  429
   マラテスタ研究をめぐる史料状況 素描(一八七一―一八九一)  461
   記憶の場 ヴェントテーネとサント・ステファノ  507

解題
戸田三三冬 その研究の軌跡――マラテスタ、アナキズム、そして平和学  田中ひかる  519

初出一覧  565
戸田三三冬 略歴  568

あとがきに代えて 三宅 立  570

索引  i


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