バロック

文化、神話、イメージ

[著]アンドレア・バッティスティーニ
[訳]高橋健一

従来の価値が転倒し、幻惑的な過剰さが満ちる強烈なまでに劇的な時代。
バロックは単なる一様式ではなく、世界にたいする人間の総合的な態度だ。イタリアに始まりヨーロッパ各国に広がった、秩序と無秩序が壮大に渦まく 17 世紀バロックの文化――文学、修辞学、哲学、科学、美術、音楽――の特質を顕在化させる。

[書評・紹介]
『美術の窓』No.482(2023年11月、生活の友社)、「新刊案内」
『月刊美術』No.578(2023年11月号、サン・アート)、「ART BOOKS新刊案内」
《読書人》2023年11月10日、評者:宮下規久朗氏
《図書新聞》2024年2月17日、評者:尾形希和子氏

定価=本体 4,500円+税
2023年7月31日A5判上製/404頁/ISBN978-4-88303-538-0


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[目次]

序章 本書の展望  7

第一章 二つの歴史叙述概念の定義と歴史   21
   第一節  内向的で気取ったマニエリスム芸術  21
   第二節  バロックの誇大妄想  25

第二章 古典主義とバロック  30
   第一節  「驚愕」にたいする防壁  30
   第二節  節度の追究  36

第三章 カトリック改革の精神性  43
   第一節  布教活動への召命  43
   第二節  イエズス会の説得術  46

第四章 理想と妄想  58
   第一節  新奇さと驚異  58
   第二節  スペクタクルとしての人生  65
   第三節  秩序と無秩序のあいだ  72
   第四節  コレクショニズムから包括的な百科全書へ  83

第五章 テーマとモティーフ  92
   第一節  世界劇場  92
   第二節  精神病の諸象徴 ――狂気  97
   第三節  狩猟のイメージ ――自然の秘密という獲物を追う科学者  100
   第四節  死の勝利  110
   第五節  望遠鏡の驚異  122
   第六節  無限にたいする陶酔と恐怖  133

第六章 レトリックの型  145
   第一節  才知と鋭才  145
   第二節  論考による体系化  155

第七章 姉妹芸術  167
   第一節  建築における曲線の優位  167
   第二節  変身と動き  174
   第三節  キリスト教信仰のためのイメージ  192
   第四節  絵画の首都ローマ  201
   第五節  非順応主義的選択  217
   第六節  「詩の魂」たる音楽  227

第八章 文化的中心の見取り図  240
   第一節  イタリアの細分化  240
   第二節  ヨーロッパを巡って  255

第九章 十八世紀に向かって  268
   第一節  模倣の原理への攻撃  268
   第二節  古代人と現代人  277
   第三節  オルシ対ブウール論争における十七世紀  286
   第四節  バロックの威風からロココのミニアチュールへ  294
   第五節  ロココに対応する文学  316

訳者あとがき  331

註  1
人名索引  52