[目次]
序論/木俣 元一 9
第T部 基調論文 33
基調論文1 「物質性」から広がる人類学研究の地平/佐々木重洋 35
基調論文2 生命体と非生命体とのあわい──美術史研究における「物質性」の射程/水野千依 61
第U部 経験・思考・想像力 83
誘惑の美学──イヌイト・アートにみる「生き方としての芸術」の可能性/大村敬一 85
継起する自己/イメージ──ナイル系牧畜社会における牛、紙、神性/橋本栄莉 117
モノを介したアナロジーの思考──オゴテメリとグリオールによる神話の釈義を事例として/中尾世治 141
イメージと規律=訓練──ティム・インゴルド批判/出口顯 166
至聖所のカーテンとストラスブール大聖堂南袖廊──タイポロジーにおける物質性/木俣元一 188
第V部 人格・エージェンシー・生動性 217
夢ないし幻視における像の生動性についての比較美術史的考察/秋山聰 219
長谷寺本尊十一面観音像の秘仏化と開帳/奥健夫 246
ロココ絵画に描かれた彫像の生動性──信仰から愛好の対象へ/杉山奈生子 266
分配される人格/結晶する人格──像の人格化をめぐる文化横断的比較/水野千依 293
第W部 聖性・奇跡・交渉 321
《アルテミス・エフェシア》──偶像に宿る聖性の継承と分与/芳賀京子 323
ネーデルラントにおける奇跡像と奉納像──中世から現代へ/杉山美耶子 348
トリエント公会議以後のフランスにおける聖画像論と美術──「キリストの顔」をめぐって/栗田秀法 375
金沢市真成寺の鬼子母神像/森雅秀 404
バリ・ヒンドゥー教における「異界」との交流──可視化される神と物質性/廣田緑 429
第X部 空間・環境・設え 455
キリスト教礼拝空間における典礼設備の物質性と象徴性/奈良澤由美 457
後期ビザンティンの聖堂における光の演出と聖性──イェラーキ(ギリシャ)の聖ヨアンニス・クリソストモス聖堂
/樋口諒 485
不可視の神との対話のメディウムとしての祭壇画──ジョヴァンニ・ベッリーニ作《ディレッティ祭壇画》を事例として
/須網美由紀 510
神秘体験と日本建築──懸造・熊野詣の建築的仕掛け/松ア照明 537
第Y部 儀礼・パフォーマンス・演出 563
〈集まり〉としての憑依──アフロブラジリアン宗教における人間・モノ・憑依霊/古谷嘉章 565
色彩における物質性と聖性──イヴ・クラインの芸術実践における聖別と涜神のあわい/松井裕美 593
神格との相互交渉と物質性──中動態的協働としての「神人和合」/佐々木重洋 627
あとがき 659
人名索引 I
事項索引 IV |