[目次]
日本の読者に寄せて iii
序言 1
第1篇 自然と人 13
第1章 近代中国における「自然」という概念の誕生 14
はじめに 14
1 「nature」に対する清末辞書の解釈――「本性」「天地」「天然」から「自然」へ 16
2 「物」「理」「質力」から「自然」へ――清末における格致学・科学と「 nature 」の実体化の過程 24
3 清末における天・天然・自然と「 nature 」の融合 42
4 自然――人文・生命・精神 60
おわりに 78
注 80
第2章 近代中国における「人」という概念の構築 95
はじめに 95
1 人の起源――進化・競争・相互扶助 96
2 種族の意味から見る「人」――別種・淑種・通種 109
3 「人」の理智化 121
4 人――快楽・幸福・道徳 130
5 新人と新人格 142
おわりに 150
注 152
第2篇 自然・超自然と人 163
第3章 厳復の科学的・進化的視野と自然化された「天人観」 164
はじめに 164
1 「天」と「二つの世界」 165
2 自然的・必然的な「天」と「天演」 174
3 「天演」と人類・人道・社会 185
おわりに 196
注 197
第4章 章炳麟の近代的な脱呪術化と価値的合理性――「自然」「人性」から人の道徳的自立へ 204
はじめに 204
1 自然による超自然の脱構築 206
2 「心識」による自然と超自然の脱構築 214
3 人性的な自然から人の「非自然」へ 223
4 価値的合理性――人の道徳的自立 233
おわりに 241
注 244
第5章 自然・人事・倫理――東西文脈における胡適の自然主義的な立場 254
はじめに 254
1 宇宙・実在と自然 256
2 科学から見る自然 267
3 技術から見る自然 277
4 人の自然から倫理へ 292
おわりに 301
注 303
第3篇 自然・実在と人 311
第6章 馮友蘭の価値的合理性及びその構築方法――「天地境界」と「天人之際」 312
はじめに 312
1 「価値的合理性」の構築及びその究極的な意義 314
2 「天人之際」による超越性の獲得 324
3 文化的普遍性の思惟方法と哲学理性による価値的合理性の構築 330
おわりに 336
注 337
第7章 人類はいかに「自然」を大切にすべきか――金岳霖の哲学における「天人之際」と「天人合一」 341
はじめに 341
1 金岳霖の思想遍歴に見られる「天人合一」 342
2 「道演」と「実在」の「二分」――形而上学から見る人と自然の分化 347
3 人類文明の幸と不幸――知識・目的と誤解 350
4 「尽性論」から見る「人と自然の統一」 357
5 人生の視野から「聖人人生観」と「天人合一」へ 365
おわりに 370
注 372
第8章 「天人合一」と「精神境界」――現代哲学者の心情と荘子の知恵 376
はじめに 376
1 金岳霖の「道一」と「天人合一」 376
2 馮友蘭の「超形脱相」と「天地境界」 396
3 方東美の「生命情調」と「超脱精神」 407
おわりに 415
注 417
第4篇 自然・物質と人 425
第9章 多層的な側面を持つ「人」――陳独秀による描写 426
はじめに 426
1 人――現実・実在と進化 427
2 人の本性・倫理と宗教 433
3 政治的な人権と経済的な人権 446
4 人と知識・科学 452
おわりに 458
注 460
第10章 実在・客観と価値――張申府の「唯実世界観」 465
はじめに 465
1 「実在的世界」――信念・由来と融合 467
2 多元的方法と「唯実」 478
3 人生と倫理における「唯実」 490
おわりに 502
注 506
第11章 自然秩序と人間共同体という生活理想――張岱年の「天人会通」 513
はじめに 513
1 「自然と人」をめぐる哲学的経歴と関心 514
2 歴程・創生と秩序――宇宙観と自然観 519
3 人類観と理想的人間生活の構築 525
おわりに 531
注 534
第5篇 自然・文明と人 539
第12章 辜鴻銘の儒家道徳理想主義から見る救世論・文明観と信仰 540
はじめに 540
1 辜鴻銘の道徳救世論と文明観 541
2 道徳的な信仰世界――「良民宗教論」と「孔教観」 562
おわりに 577
注 579
第13章 殷海光の究極的関心・文明的省察と「人」という理念 584
はじめに 584
1 苦しい精神の旅、「人類への関心」と「人」という理念 585
2 現代文明への反省と「現代人」への批判 594
3 建設的な「人」という理念 604
おわりに 618
注 619
第6篇 自然・生命と精神 625
第14章 生命の創造と霊性化――梁漱溟の倫理的生命主義 626
はじめに 626
1 進化と創造――宇宙の生命から人の生命へ 627
2 霊性と倫理化――人心の進化と創造 635
おわりに 647
注 649
第15章 「外を拒み、内を守る」――馬一浮の反功利主義と自己認識の学 652
はじめに 652
1 「外在性」の排斥――功利主義と実用理性に対する批判 653
2 「外」から「内」へ――心性と自己の体認 667
おわりに 679
注 680
結論 686
注 694
付録 695
個人・理智とよい人生――胡適の「科学人生観」 696
1 個人主義の論理的発展 697
2 人生の科学化と理性化 702
3 新しい人格像 706
4 人生の目的とその実現 710
5 道徳と善の相対化 713
「人類関懐」と「聖人人生観」――一つの具体例から見る金岳霖の『論道』と『道・自然与人』の相違 718
張岱年の「天人新学」――自然・人と価値 726
1 知恵の激情と一貫した道 726
2 非本体的な「本」と直線的過程 729
3 人と自然の二重関係 731
4 「合群」の「社群哲学」 733
注 736
参考文献 740
あとがき 744
訳者あとがき 748
著訳者紹介 754
索引 |