著訳者紹介


*データは原則として刊行時のものです*

 

岩城見一
いわき・けんいち

1944年生まれ。 1973年、京都大学文学研究科博士課程(美学美術史学)単位取得退学。 専門は美学(感性論)、芸術学。 現在、京都国立近代美術館・館長。京都大学名誉教授。 著書に『感性論 エステティックス――開かれた経験の理論のために』(昭和堂 2001年) 、『芸術/葛藤の現場――近代日本芸術思想のコンテクスト』(編著)(晃洋書房 2002年) 、『誤謬論――カント「純粋理性批判」への感性論的アプローチ』(萌書房 2006年)他。(2007年12月現在)

 

岩城見一の書籍一覧]

ポール・セザンヌ《サント・ヴィクトワール山》
北イタリアの巡礼地の生成と変貌

[著者]ゴットフリート・ベーム
[著者]岩城見一+實渊洋次

セザンヌが獲得した〈画像言語〉が「見ることに徹底すること」であると理解したとき、それが私たちの現実の見方を方向づけそこに描き出された絵画世界を一変させる。従来のセザンヌ理解を批判的に論じたベームの解釈学的実践の試み。────
セザンヌの芸術は、ひょっとすると20世紀絵画にとっての最も重要な基点を表しているかもしれない。セザンヌは、伝統に属す最後の画家であると同時に、キュビストから現在にいたる画家たちの模範ともなっている。
ゴットフリート・ベームは、セザンヌ後期作品に属す《サント・ヴィクトワール山》の画像上の成果に即して、いかにして観者が目に見える経験としてこの絵画と親密になれるのかを、そして、セザンヌが行った現実解釈の根本的な意味が実質的にどこにあるのかを示す。セザンヌ絵画の最も重要な展開の道筋と通過点が、ここで扱われる主作品を越えて提示されている。証明のために選び出された数々の証言により、哲学、文学にまでおよぶセザンヌの影響史のいくつかの視点も示されている。

[書評]
『美学』233号(2008年冬)「論文・新刊紹介」、評者:永井隆則氏

定価=本体 2,600円+税
2007年12月15日/四六判上製/216頁+カラー折込図版/ ISBN978-4-88303-216-7




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