著訳者紹介


*データは原則として刊行時のものです*

 

天王寺谷千裕
てんのうじや・ちひろ

1990年生。博士(文学、京都大学)。日本学術振興会特別研究員DC1(2020年)を経て京都大学非常勤講師。研究対象はフランス近代美術史。近著:「ギュスターヴ・クールベ《セーヌ河畔のお嬢さんたち(夏)》に関する考察」『美術史』193冊(2022年)、「ギュスターヴ・クールベ《ハンモック(夢)》――初期画業における画家の試み」『日仏美術学会会報』41号(2022年)ほか。

 

[天王寺谷千裕の書籍一覧]

ギュスターヴ・クールベと女性表象

どう描くか、なぜ描くか

[著者]天王寺谷千裕

本書はクールベがその芸術的・政治的信条を際立たせるサロンにおいて、如何に女性表象を扱ったか、画家がどのような役割をそれらに託したのか、という点を時系列に沿った個別の作品研究により解明する。
十九世紀フランス社会において非常に脆弱な立場にありながら、同時に社会の状態を映す指標でもあった女性という存在を的確に捉え、これを描き出すことでクールベは彼が生きた時代そのものをカンヴァスに写し取ることに成功した。 同時代性をして普遍的な人間性を語るクールベ芸術の神髄を表現するうえで、女性表象は特に有効に作用し、彼のレアリスムを達成するための重要な手段となったのだ。

定価=本体 4,091円+税
2025年2月25日A5判上製/298頁/ISBN978-4-88303-604-2


HOME