著訳者紹介


*データは原則として刊行時のものです*

 

ベアット・ヴィース
Beat Wyss

1947年バーゼル生まれ。 チューリッヒ、ベルリン、ローマで美術史、哲学、ドイツ文学を学ぶ。 建築史、新美術史、美術理論の領域で研究活動。 大学講師、出版監修、編集者として活動。 シュトゥットガルト美術史研究所を経て、
2004年よりカールスルーエ造形大学の美術史・メディア理論の教授。著書にTrauer der Vollendung, Von der Asthetik des Deutschen Idealismus zur Kulturkritik an der Moderne, Munchen 1989. Der Wille zur Kunst, Zur asthetischen Mentalitat der Moderne, Koln, 1996. Die Welt als T- Shirt. Zur Aesthetik und Geschichte der Medien, Koln, 2002. Vom Bild zum Kunstsystem 1+2, Koln, 2005.

 

[ベアット・ヴィースの書籍一覧]

作品とコンテクスト
ブリューゲル《イカロス墜落の風景》
人文主義的ペシミズムの絵解き

[著者]ベアット・ヴィース
[訳者]神原正明

見なさい。
鉄の時代が戻ってくる。
ペルディクスのようにずる賢く、
キリスト教的宇宙の悲しい没落を
冷然と眺めることだ。

オウィディウス『変身物語』第8書「イカロス墜落」。ブリューゲルは、この自明の物語を原典批判的に切り詰め、古い手本にしがみつく不正確な見方のしきたりを覆す人文主義の要求を実現した。時代は、宗教戦争、カトリック国スペインによるネーデルラント支配……愚かな流血で彩られた己の時代に「鉄の時代」の再来を認めた画家は、人文主義者の悲哀をこめて暗号化せざるをえなかった描写に、いかなる予言を込めたのか。

定価=本体 2,200円+税
2007年3月25日四六判並製/132頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-194-8




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