言語戦争と言語政策

[著者]ルイ=ジャン・カルヴェ
[訳者]砂野幸稔今井勉西山教行佐野直子中力えり

欧米型「多言語主義」があたかもアプリオリに肯定的な価値として称揚される現在、言語について語ることの政治性と世界の多言語性が孕む緊張を鋭く描き出し、そうした自明性そのものに、あらたな問い直しをせまる社会言語学の「古典」。

定価=本体 3,500円+税
2010年4月30日/
A5判上製/308頁/ISBN978-4-88303-267-9


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[目次]
  はじめに 9

第1部 紛争の起源
  第1章 起源の問題 16
  第2章 宗教と言語 単一起源と優越性の神話 34
  第3章 多言語の世界 47
       バイリンガリズムとダイグロシア 48
       フランス語を手がかりとして 54
       文字 63
  第4章 優越性のイデオローグたち 67    
       ギリシャ人、蛮族、他者 67
       デュベレーと彼が擁護するもの 71
       リヴァロルとフランス語の普遍性 77
       戦争のイデオローグたち 82

第二部 戦場
  第5章 群居言語と媒介言語 86
       群居機能の極 86
       媒介機能の極 88  
       ガヴォ語の事例 89
       ピグマリオンとドミニチ 92  
       モーリシャス島 95  
       言語と帰属 98
  第6章 家族内の戦い 103
       セネガルの事例 104  
       父語なのか母語なのか 105  
       母語から国語へ 109
       社会に対抗する家族 111
  第7章 市場と言語 116
       中国広州市の市場 118  
       コンゴ共和国、ブラザビルの市場 122
       ニジェール、ニアメのプティマルシェ 126  
       市場と多言語状況の管理 129
  第8章 媒介現象 134
       ケチュア語の事例 135  
       媒介言語の拡大要因 140
       それでも人はコミュニケーションを行う 144
  第9章 言語の死 148
       われわれは死語を話している…… 149  
       言語の消滅 151
       コチャバンバのケチュア語 154  
       言語の死 157  
       言語学と社会言語学 159

第三部 参謀本部で
  第10章 言語政策と言語計画 最初のアプローチ 164
  第11章 事例研究――多言語状況の管理 172
       中国の事例 172  
       インドの事例 179  
       ギニアの事例 186  
       考察 190
  第12章 事例研究――言語計画とナショナリズム 194
       ノルウェーの事例 194  
       トルコの事例 199
       考察 201
  第13章 事例研究――エクアドルのヒバロ人の言語闘争 207
  第14章 言語政策と帝国主義――夏期言語協会 ?216
       概観 216  
       最初の批判 218  
       エクアドルの事例 224
       どのような言語政策か? 226
  第15章 文字戦争 230
       マンデ語アルファベットの事例 230  
       ソ連の事例 233
       中国語の事例 236  
       考察 242
  第16章 単語戦争 246
       第一のアプローチ 246  
       バンバラ語の事例 248  
       新語とイデオロギー 252
  第17章 塹壕戦 フランス語の場合 258
       フランス語の拡大 258  
       フランス語が拡大し、後に後退した理由 261
       ケベックにおける小競り合い 264  
       フランス語の「防衛」 270
       無力さと排外主義の間で 272  
       フランコフォニー 276
  第18章 平和主義幻想とエスペラント 286
       歴史的道標 286  
       エスペランティストのイデオロギー 291
       社会言語学的アプローチ 295

  結論 299

  訳者あとがき 302


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