作品とコンテクスト
メンツェル《サンスーシのフルート・コンサート》
美術に見る歴史問題

[著者]ヨスト・ヘルマント
[訳者]神林恒道三浦信一郎

時代の荒波に翻弄され続けた
近代ドイツの歴史のなかで、
この絵は、どのように受容されてきたか。
画家の追い求めた、
真のフリードリヒ大王像とは?

場面は、まばゆいシャンデリアが照らし出す、 サンスーシ宮殿での優雅なコンサートの情景。 伝説の啓蒙絶対君主フリードリヒ大王を取り囲んで、和やかな雰囲気に溢れるこの絵は、のちの時代に形成される国王のイメージにともなって、さまざまに解されることになる。 画家は100年前の王の姿に何を見たのか? 王を囲む聴衆はいったい誰なのか、奏でられているのはいかなる音楽か? 綿密な考証をもとに、ドイツで最も著名なこの絵の本来の意義を探る。

[書評]
《新潟日報》2014年7月13日、評者:山梨俊夫氏→記事を読む

定価=本体 2,200円+税
2014年5月10日四六判並製/120頁+カラー折込図版/ISBN978-4-88303-352-2


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[目次]
第1章 メンツェルは「フリードリヒ大王の栄光の告知者」か? 6
第2章 時代史と本来の意図 17
第3章 王家の家庭音楽 30
第4章 フルート奏者としてのフリードリヒ 40
第5章 同じ仲間たち? 50
第6章 《フルート・コンサート》の美的−印象主義的見方 71
第7章 1945年以降のメンツェル受容のために 80
第8章 止揚された遺産 88

訳者解説 91
注 108
《フルート・コンサート》以外のドイツ語圏でのメンツェルの代表作品 111
アドルフ・メンツェル年譜 113
図版出典リスト 115

(表題作品のカラー折込図版を巻末に収録)


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