[目次]
日本語版序文 11
第一章 私の近代―?絡みあうアイロニーの世界 19
実験と挑戦としてのエッセイ 19
『戦場にかける橋』とリー・クワンユー―植民地をみる二つの視角 22
植民地分裂症と植民地近代 30
分離した世界から絡みあう世界へ 36
近代世界の普遍性と連続性―一六年戦争 43
アイロニーの世界としての植民地近代 50
原注 51
訳者注 52
第二章 植民地認識の「グレーゾーン」―?帝国日本支配下の「公共性」と規律権力 ?55
はじめに―なぜグレーゾーンか 55
抵抗と協力の弁証法―植民地的公共性の意味 59
近代化と規律権力 71
結論にかえて 80
原注 83
訳者注 88
第三章 親日と反日の閉鎖回路からの脱出 91
盧武鉉とウェーバー―責任倫理の世界、そして「親日」 92
「過去清算」としての「親日派清算」について 95
「忘却」のための「協業」?―記憶の抑圧のために 98
同一性イデオロギーとしての同化政策と「協力」 100
多様な「協力」の形 104
「責任」とはなにか 107
「責任」を問う「清算」へ 111
原注 112
訳者注 117
第四章 植民地官僚からみた帝国と植民地 119
植民地官僚研究、なにが問題なのか? 119
「植民地国家」(colonial state)と植民地官僚 123
植民地の社会分化と植民地官僚 131
「協力」行為と帝国 136
なにを、いかにすべきか? 143
原注 145
第五章 民族主義は怪物だ 151
問題提起―民族主義という怪物 151
民族主義の両面性 154
イデオロギーとしての民族主義 157
「怪物としての民族主義」を越えて 163
原注 166
訳者注 166
第六章 韓国民族主義の近代性批判 169
問題提起 169
韓国の近代民族主義の特性 173
(1) 共和主義の成立と民族主義の伝播 173
(a) 韓末の忠君愛国 174
(b) 共和主義の台頭と民族主義の伝播 176
(2) 種族主義と文化的民族主義の形成 179
(a) 血統と種族主義 179
(b) 言語民族主義 183
(c) 歴史と文化的伝統の強調 186
(3) 有機体的民族主義と民衆の性格 188
(a) 有機体的民族主義 188
(b) 民衆と個人主義 190
(c) 民族主義を超えて―申采浩の場合 193
(4) 植民地支配下における社会主義的民族主義の性格 194
解放以降の民族主義の体制性と運動性 197
韓国民族主義の展望 206
原注 211
訳者注 222
第七章 申采浩の民族主義―?民衆的民族主義、あるいは民族主義を越えて 229
はじめに―申采浩を再読する義務 229
1 大韓帝国期における申采浩の民族主義の性格 233
(1) 進化論の受容と発展論 233
(2) 民族主義の公共性とアジア連帯論批判 241
2 一九二〇年代における申采浩の民衆的民族主義、あるいは民族主義の克服 249
(1) 発展論の再編と時空間認識の構造 249
(2) 民衆の「発見」と民衆の「連帯」 255
結論にかえて 262
原注 265
訳者注 272
第八章 トランスナショナル・ヒストリーの可能性―?朝鮮近代史を中心に? 275
はじめに―トランスナショナル・ヒストリー、どうみるべきか 275
1 国民国家(nation-state)時代の近代理解 280
(1) 国民国家時代における近代把握の特徴 280
(2) 一国史的近代性(national modernity) 281
(3) 国際関係史と比較史研究 288
2 トランスナショナル・ヒストリーの可能性―グローバル時代の近代理解 292
(1) グローバル時代における近代把握の特徴 292
(2) グローバルな近代性、あるいは植民地近代(colonial modern) 293
(3) 帝国史(Imperial History)、あるいは地域史(Regional History)の台頭 297
おわりに―?「トランスナショナル・ヒストリー」のために 305
原注 308
訳者注 317
第九章 ジャラパゴス、あるいは孤立した楽園?―?私のみた日文研と日本 319
訳者解題?…………………………?沈煕燦 ?331
日本語著作目録…………………………??353 |