[目次]
本書を読むために
台湾の中の日本語世界/所澤潤 x
多元社会台湾の歴史的積層/石井清輝 xxi
第I部 経済統制下の台湾
第1章 戦時体制下台湾の「デパート」―全体主義と個人の軋轢/李衣雲(所澤潤 訳) 002
はじめに 002
一 象徴記号の意味と台湾戦前のデパート文化 003
二 戦時下における消費と全体主義の勃興 008
三 「戦後」における戦争体制とデパート―台北を例に 015
まとめ 027
第2章 戦後台湾女性のよそおい文化―社会現象としての日本嗜好/王耀徳+林容慧(阿部由理香 訳) 043
はじめに 043
一 戦前期台湾のよそおい文化 046
二 戦後期台湾のよそおい文化 051
三 日本風よそおい文化の再登場―台湾資生堂を例として 058
四 特殊ルートに見られる日本嗜好の受容 065
おわりに 072
第II部 高等教育制度の転換をめぐって
第3章 台北高等学校の戦後―日本が過去になった時に起こったこと/所澤潤 084
はじめに 084
一 台北高級中学沿革概要 087
二 中華民国制度への転換の体験 088
三 失われたものの再評価 115
終わりに 118
第4章 台北帝国大学の接収と延平学院の設立―省籍問題を伴う台湾本省人の対日感情の変化
/林初梅 125
はじめに 125
一 国民党政府の接収した学校の戦後の様相 128
二 台北帝大から国立台湾大学へ 131
三 私立延平学院の創設に転じた本省人 139
四 本省人の対日感情の変化 143
終わりに 148
第III部 文筆家・作家としての人生を読む
第5章 黄得時による日本文化ならびに日本語に対する戦後の態度
/Thilo Diefenbach (蒋永学)(中村加代子 訳) 158
はじめに 158
一 一九四五年以前―日本文化に対する肯定的な態度 160
二 戦争と皇民化を明確に支持 162
三 日本に対する幾度かの批評 163
四 戦後―日本に対する黄得時の二面性 164
五 日本文化に対する深い関心 165
六 日治時期を強烈に批判し、台湾人の抗日精神を指摘 166
七 日治時期に対する誤った描写 168
結論 169
第6章 植民地の記憶―鍾理和「原郷人」の広がり/今泉秀人 175
はじめに 175
一 「私はこうして創作を学んだ」(一九五九) 176
二 「原郷人」(一九五九) 182
三 渡満から帰台まで(一九三八 ― 一九四六) 186
四 『文友通訊』(一九五七 ― 一九五八) 190
五 理和の死後(一九六〇 ― 一九八〇) 196
むすび 199
第IV部 日本社会における台湾の位相
第7章 華僑から「台湾人」へ― 一九六〇 ― 七〇年代在日台湾人の歴史的自己省察の試み
/岡野翔太(葉翔太) 206
はじめに 206
一 東アジア地域秩序の再編と在日台湾人 211
二 在日台湾人の連帯を目指して―台湾人権利擁護総連合会の試み 216
三 台湾人権利擁護総連合会と台湾協会の連動―「戦没台湾人合同慰霊祭」の実施 221
四 在日台湾人をめぐる語りの構築過程 227
おわりに 230
第8章 植民地同窓会における戦後日本の台湾記憶―台北市・樺山小学校の事例から/石井清輝 240
はじめに―問題の所在と本論文の課題 240
一 対象の概要と分析方法 242
二 同窓会の目的と活動内容 244
三 台湾に関する記憶の多様性と「他者」の記憶 245
四 集合的に強化される「ノスタルジアの語り」 249
五 新たな台湾認識を獲得する場としての同窓会 256
おわりに 260
あとがき 林初梅 270
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