著訳者紹介 |
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名古屋大学大学院博士後期課程満期修了。現在、国立新美術館企画室長。専門は、西洋近現代美術史。主な論文に、「カンディンスキー作《白い縁取りのある絵》?─?その構成をめぐる問題について」(『美術史』No.140、1996)、『ヴァシリー・カンディンスキーの「隠されたコンストラクション」?─?1920年代前半までの作品における幾何学的な構成とその視覚的効果をめぐる考察』(課程博士論文、名古屋大学、2004)などがある。(2013年6月現在) |
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[長屋光枝の書籍一覧] |
この肖像は、はたして何者か。 画家自らが「不確定さ」を強調し、解釈困難として放置されてきたこの素描作品は、近年発見された新史料によりポーの小説を源泉にもつことが判明した。だが、作品は絵画としての自立性を求めて物語を超越し、いずれからも決定されない。本書は、徹底した作品観察にもとづくイコノロジーの視点で画家が幾重にも織り込んだ造形的創意を読みとき、ルドンがついに獲得した高度な「抽象性」への道程を明らかにする。 [書評・紹介] 定価=本体 2,200円+税 |