著訳者紹介 |
|
名古屋大学大学院博士後期課程満期退学、パリ第1大学DEA修了。現在、大阪大学非常勤講師。専門は、西洋近現代美術史。主な論文に、「政府注文と画家」(『美術史』No.154、2003)、「記憶としての織物」(『美学美術史研究論集』No.24、2010)。展覧会カタログ「ルドン展?─?絶対の探求」(岐阜県美術館、島根県立美術館、2002)、『「ゴッホの夢」美術館』(圀府寺司編著、小学館、2013)などの執筆に参加している。(2013年6月現在) |
||
[山上紀子の書籍一覧] |
この肖像は、はたして何者か。 画家自らが「不確定さ」を強調し、解釈困難として放置されてきたこの素描作品は、近年発見された新史料によりポーの小説を源泉にもつことが判明した。だが、作品は絵画としての自立性を求めて物語を超越し、いずれからも決定されない。本書は、徹底した作品観察にもとづくイコノロジーの視点で画家が幾重にも織り込んだ造形的創意を読みとき、ルドンがついに獲得した高度な「抽象性」への道程を明らかにする。 [書評・紹介] 定価=本体 2,200円+税 |