著訳者紹介


*データは原則として刊行時のものです*

 

サルヴァトーレ・セッティス
Victor I. Stoichita

ピサ高等師範学校校長。同校で美術史・古典考古学を教える。1994年から1999年にはロサンゼルスのゲッティ美術史人文学研究所所長。研究対象は古代美術史(Saggio sull'Afrodite Urania di Fidia, Pisa 1966; La Colonna Traiana, Torino 1988; Le pareti ingannevoli. La Villa di Livia e la pittura di giardino, Milano 2002)から古代以降の美術史(La ≪Tempesta≫ interpretata. Giorgione, i committenti, il soggetto, Torino 1978[邦訳『絵画の発明―ジョルジョーネ「嵐」解読』、小佐野重利監訳、石井元章・足達薫訳、晶文社2002年])、さらには文化方針・文化政策(Italia S.p.A. - L'assalto al patrimonio culturale, Torino 2002; Futuro del “classico”, Torino 2004; Battaglie senza eroi. I beni culturali fra istituzioni e profitto, Milano 2005)に及ぶ。『アルテミドロスのパピルスの3つの人生』展(Le tre vite del Papiro di Artemidoro, Torino 2006)およびそのカタログの監修や、数々の研究叢書の監修もおこなっている(Memoria dell'antico nell'arte italiana, vols. 1-3, Torino 1984-86; Storia della Calabria antica, Roma 1987-1991; Civilta dei Romani, Milano 1990-1994; I Greci. Storia, arte, cultura, societa, vols. 1-6, Torino 1995-2002)。パニーニ社のシリーズ『ミラビリア・イタリアMirabilia Italia』の監修者。

 

[サルヴァトーレ・セッティスの書籍一覧]

ラオコーン
名声と様式

[著者]サルヴァトーレ・セッティス
[訳者]芳賀京子日向太郎

発見から500年、この著名な古代彫刻をめぐり続けられてきた論争が、ここに決着する
「1506年の発見以来、死に瀕する人の苦痛をみごとに表現した古代の激情〈パトス〉の定型として熱烈な学問的な関心を集めてきた、ヴァチカンの有名な大理石彫刻《ラオコーン》。これに言及した唯一の古代文献、大プリニウス『博物誌』の記述との齟齬から、この彫刻をプリニウスの記述する彫刻とは別ものとする見解や、彫刻に特異な政治的なメッセージの衣を纏わせて、ロマンやスリルを好む読者の感興ばかりをそそる、今はやりの解釈などが出されてきた。
  著者セッティスは通念や恣意的解釈に真っ向から挑む。『博物誌』の記述に彼が加えた目から鱗の落ちる思いのする新解釈。『博物誌』の記す彫刻の作者たち―三人のロドス人彫刻家―の活動時期を碑文資料に基づく係累学的研究から絞込み、さらに様式的な検討を加えてこの彫刻をオリジナルと断言し、最終的に制作年代(紀元前40-20年頃)を割り出す手際のなんとあざやかなこと! この稀にみる好著は、比類なき知性の持ち主による積年の研究成果として、読者の知性を大いに満足させることであろう。」
――小佐野重利(東京大学美術史学教授)

[書評]
《読売新聞》「読書委員が選ぶ2006年ベスト3」、選者:青柳正規

定価=本体 5,000円+税
2006年8月25日/A5判上製/388頁+カラー口絵16頁/ISBN978-4-88303-155-9


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