辺縁の自由人

ある歴史学者の選択

[口述者]李永熾
[筆記者]李衣雲
[訳者]嶋田聡深串徹飯田直美北口(和田)英穂

日本植民地期に生まれ、国民党独裁時代を生き抜き、自由化・民主化運動のなかに身をおき、知的営為と実践を通して、台湾の自由・民主・独立を目指した歴史学者の半生記。それは、台湾人の苦悩と闘い、そして希望へと繋がる民衆史でもある。

【書評・紹介】
《朝日新聞》2024年6月22日、「好書好日」、評者:安田浩一氏

【電子書籍版もあります】

定価=本体 6,000円+税
2024年3月20日A5判並製/544頁/ISBN978-4-88303-588-5


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[目次]

日本語版への序 静寂の中の躍動  iii

序文
   自ら大地をしっかりと掴んで放さない―李永熾の「志業」( Calling )  金 恒煒   2
   私の知っている先生  薛 化元(政治大学文学院院長)  10
   私の敬愛する大兄さん  三妹 美玉  15
   自序 辺縁の自由人として  李 永熾  21

第一章 父母の青春  28
第二章 無知な子供時代  45
第三章 貧しい生活と勉学の開始  70
第四章 辺縁かつ貧乏な大学時代  93
第五章 大学院と家計の負担の開始  108
第六章 苦難に満ちた日本留学期  139
第七章 近代日本の歴史と思想の発展  172
第八章 丸山眞男から日本近代史を再考する  192
第九章 帰国と結婚  218
第十章 講義:日本の近代化と国家の形成  242
第十一章 学部仕事と学生指導  268
第十二章 翻訳と出版  286
第十三章 雑誌と新聞のために文章を執筆する  305
第十四章 学術と思想の転換  331
第十五章 台湾の発展への関心  354
第十六章 美麗島事件前の台湾  367
第十七章 人心が変わろうとする一九八〇年代  383
第十八章 台湾独立思想の確立  400
第十九章 政治活動への参加  418
第二十章 一九九〇年代台湾の民主化運動  433
第二十一章 父親との死別  444
第二十二章 台湾独立運動への関わり  456
第二十三章 悲しみの一九九九年  475
第二十四章 二〇〇〇年代の政治参加  486
第二十五章 定年退職後の生活  496

あとがき 李衣雲  514

   参考文献  520
   李永熾年表  522
   口述者/筆記者/訳者紹介  530