お知らせ

★2024.07.08 グギ・ワ・ジオンゴ+グギ・ワ・ミリエ『もう一つの世界文学――多言語文学叢書  ケニア/ギクユ語 戯曲 したい時に結婚するわ』が出来ました。
★2024.07.08 
《週刊読書人》2024年7月5日に、ボルジギン・フスレ『日本人のモンゴル抑留の新研究』の書評が掲載されました。 評者は、兎内勇津流さんです。
★2024.07.04 金石範『鬼門としての韓国行』、森川輝紀『教育勅語への道』『「台湾菜」の文化史』、 安田敏朗『「てにはドイツ語」という問題』、 伊藤正子『民族という政治』の電子書籍版が発売開始されました。
★2024.06.24 
李永熾『辺縁の自由人――ある歴史学者の選択』が、《朝日新聞》(2024年6月22日)で取り上げられました。評者は安田浩一さんです。

新  刊

もう一つの世界文学――多言語文学叢書  ケニア/ギクユ語

戯曲 したい時に結婚するわ

[著]グギ・ワ・ジオンゴグギ・ワ・ミリエ
[訳/解説宮本正興

英語と決別し、民族語作家へ転身した現代アフリカ文学界の巨星、ケニアのグギ・ワ・ジオンゴらによる最初のギクユ語演劇作品。独立まもない70年代に地元の人々により野外舞台で演じられたが、やがて禁止処分に。何千何万というケニア人の死をもって贖われたイギリス植民地からの独立の大義が裏切られ、日本やアメリカを含むグローバルな搾取の構造のなかでの新旧カミリズ村の経験は、ケニア近現代史の縮図であるとともに、アフリカ全土、はては世界のポストコロニアル国家の底辺に生きる農民や労働者の生きざまをリアルに照らし出している。

定価=本体 3,000円+税
B6判並製/400頁/ISBN978-4-88303-560-1





地中海学研究  XLVII (47号)

[発行]地中海学会
[発売]三元社

地中海学会発行の1978年以来続く年報の最新号。 今号は論文4本、書評1本、大開記念講演1本、2023年の学会大会シンポジウム要旨を所収。

地中海学会

定価=本体 3,000円+税
2024年5月31日
B5判並製/134頁/ISSN0911-8802/ISBN 978-4-88303- 590-8





「台湾」の文化史 (台湾学研究叢書)

国民料理の創造と変遷

[著陳玉箴(Yujen Chen)
[訳]天神裕子
[解説]岩間一弘

「台湾料理」とはなにか? 本書は国宴、高級レストラン、夜市、庶民の食卓にのぼるさまざまな料理を紹介しつつ、「台湾菜(台湾の料理)」という概念が100年の間にいかに定義され、表現され、実践されてきたかを検証するものである。日本の台湾統治と第2次大戦後の権威主義的政権もまた、多くの新たな飲食の要素を台湾に持ちこみ、民主化後の、現在の「台湾」を形づくってきた。つまり「台湾料理」とは何かを問うことは、まさにこの100年余にわたって台湾社会がいかに大きな変化を経てきたかを理解することなのである。

【電子書籍版もあります】

定価=本体 5,000円+税
2024年6月15日A5判並製/488頁/ISBN978-4-88303-591-5





言語、文化の狭間(あいだ)で

歴史における翻訳

[編]平田雅博原聖割田聖史

本書は、「翻訳」を歴史的な事象の中でとらえ直していくことを目的とするものである。
歴史学的に「翻訳」を考えるメリットは、歴史的な知見・研究史に照らして、翻訳を取り巻く長期的諸条件をより俯瞰的に見ていくことを可能にする点にあるといえるだろう。

定価=本体 3,000円+税
2024年3月25日A5判並製/300頁/ISBN978-4-88303-587-8





辺縁の自由人

ある歴史学者の選択

[口述者]李永熾
[筆記者]李衣雲
[訳者]嶋田聡深串徹飯田直美北口(和田)英穂

【書評・紹介】
《朝日新聞》2024年6月22日、「好書好日」、評者:安田浩一氏

日本植民地期に生まれ、国民党独裁時代を生き抜き、自由化・民主化運動のなかに身をおき、知的営為と実践を通して、台湾の自由・民主・独立を目指した歴史学者の半生記。それは、台湾人の苦悩と闘い、そして希望へと繋がる民衆史でもある。

定価=本体 6,000円+税
2024年3月20日A5判並製/544頁/ISBN978-4-88303-588-5





学びの還流

「書くこと」を基点にした「学習者の学び」と「指導者の学び」

[編著]萱のり子

なぜ、書写・書道を学ぶのか――。
学校教育から成人教育まで、書写・書道の指導にたずさわる11名が、「言葉」「書くこと」「造形」をめぐって展開する「書」の実践集。学習者と指導者双方の学びが円環をなすことで、書における学びが、いわゆる「お習字」の枠を超え、国語、社会、美術、そして生涯にわたる学びへと連鎖していく――学びのあり方「学び観」を提示する。
「書って、なんだかよくわからない」への手がかりとなる一冊。

定価=本体 2,600円+税
2024年3月25日A5判並製/224頁/ISBN978-4-88303-584-7





未来派・飛行機・ダンス

イタリアの前衛芸術における飛ぶ身体と踊る身体

[著]横田さやか

1909年に創始された未来派芸術運動。近代科学の登場に鋭く反応したかれらは機械のダイナミズムが芸術のみならず人間をも更新することを夢想し、その究極として「人間と機械の融合」という、いままさに現実味を帯びる進化の形を見出した。バレエ・リュスなど同時代の舞踊との交差も視野に入れながら、マリネッティら未来主義芸術家が追求した革新的芸術と人間像を明らかにする。

定価=本体 4,500円+税
2024年3月25日A5判上製/384頁/ISBN978-4-88303-589-2





日本人のモンゴル抑留の新研究

[著]ボルジギン・フスレ

移送・抑留・引き揚げまで
ソ連は対日戦で60万人の日本軍捕虜を獲得し、その中から1万2000人がモンゴルに送られ、苛酷な抑留生活を強いられた。極寒や飢餓、病、苛酷な労働の実態と、日本への引き揚げまでの経過をモンゴルの各文書館に秘蔵されている資料と証言をもとに明らかにする。

[書評・紹介]
《週刊読書人》2024年7月5日、評者:兎内勇津流氏

定価=本体 4,800円+税
2024年2月28日A5判上製/296頁/ISBN978-4-88303-585-4





ヴィヴァルディの生涯

ヴェネツィア、そしてヴァイオリンを抱えた司祭

[著者]ジャンフランコ・フォルミケッティ 
[訳者]大矢タカヤス

『四季』の作曲家としてだれもが知るヴィヴァルディだが、その名は20世紀初めまで忘れ去られていた。本書は彼が生きたヴェネツィアとその音楽業界のなかで複雑に絡み合う人間関係をつぶさに蘇らせる。ヴィヴァルディの最新評伝。

定価=本体 3,500円+税
2024年2月29日四六判並製/368頁/ISBN978-4-88303-583-0





ケルト学の現在

[編]日本ケルト学会
[責任編集]梁川英俊森野聡子

〈幻想〉の宝庫というイメージを纏って喧伝される「ケルト」。――それはなぜか。
紀元前五世紀から長大な時間をかけてケルト概念の上に堆積した歴史の塵を払い、〈学〉としてのケルトの魅力を描出する10篇の論攷。

[書評・紹介]
《南海日日新聞》2024年2月21日

定価=本体 6,600円+税
2024年3月1日A5判上製/544頁/ISBN978-4-88303-586-1





ナチズムの芸術と美学を考える

偶像破壊(イコノクラスム)を超えて

[著]石田圭子

ナチズム芸術/モダニズムという二項対立は戦後の言説によって強く規定されてきたのではないか。ナチズムの芸術表象について踏み込んで分析し、ナチズム芸術をもっぱら退行的とする議論やナチズムのイデオロギーからのみ語ろうとする単純化された議論を超えて、ナチズム芸術の多層性と同時代性、さらには現代性を明らかにし、ナチズムの脱神話化をはかる。

[紹介・書評]
『月刊 アートコレクターズ』2024年2月号、BOOK GUIDE

定価=本体 3,600円+税
2023年10月31日A5判並製/322頁/ISBN978-4-88303-582-3





イン/ポライトネス研究の新たな地平

批判的社会言語学の広がり

[編著]大塚生子柳田亮吾山下仁

イン/ポライトネス研究は新たなステージへ
政治、 AI 、ソーシャルメディア、マウンティングなど「協調」と「非協調」、「ポライト」と「インポライト」のスペクトラムを捉える。本書は、複雑化、多様化する社会の幅広いコミュニケーションへと視野を広げ、イン/ポライトネス研究の地平を開くことを目的とする。

定価=本体 3,500円+税
2023年10月20日/A5判並製/384頁/ISBN978-4-88303-579-3





風のイメージ世界

[監修]蜷川順子 
[編]『風のイメージ世界』刊行実行委員会

なぜ人は見えない風を描き、彫るのか。古今東西の風、大気、呼吸の表象から、目には見えない世界を造形することの思想的、宗教的、社会的、文化的意味を問う。

[英語版]
本書の英語版をPDFでお読みいただけます。
http://www.sangensha.co.jp/allbooks/index/578_imageryofwind.html

[書評・紹介]
『月刊美術』No.579(2023年12月号、サン・アート)、「ART BOOKS新刊案内」
「週刊読書人」2024年1月12日号、評者:知足美加子氏

定価=本体 4,000円+税
2023年9月30日A5判上製/276頁/ISBN978-4-88303-578-6





ユニバーサル・ミュージアムへのいざない

思考と実践のフィールドから

[著]広瀬浩二郎
[協力]ユニバーサル・ミュージアム研究会

「誰もが楽しめる」博物館・美術館へ――
近年、各地のミュージアムで「さわる鑑賞プログラム」が実施されている。それは、ミュージアムを「目で見る」施設から、「全身の感覚でみる」体験の場に変えていく試みでもある。「ユニバーサル」とは、単なる障害者支援ではない。「健常/障害」という二項対立の垣根を取り払い、「誰もが楽しめる」ユニバーサル・ミュージアムを創ることで、触感豊かな共生社会の未来像を提示できるだろう。
【対談】広瀬浩二郎×内田樹(神戸女学院大学名誉教授)・【インタビュー】広瀬浩二郎×飯嶋秀治(九州大学教授)収録。

[書評・紹介]
《京都新聞》2023年10月21日、 「新刊の本棚」
《点字毎日》点字版:2023年10月24日、活字版:26日→毎日新聞「特集:点字毎日から」
《産経新聞》大阪版夕刊:2023年11月8日
《朝日新聞》2023年11月11日、「好書好日」、評者:椹木野衣氏
「artscape」2023年11月15日号、「カタログ&ブックス」
《神戸新聞》2023年11月30日
《毎日新聞》2023年12月10日、「語る」
《読売新聞》大阪(関西)版夕刊:2024年1月25日
『民博通信 Online』No.9, 2024、国立民族学博物館、「新刊の紹介」

定価=本体 2,600円+税
2023年10月20日A5判並製/184頁/ISBN978-4-88303-577-9





ことばと社会 25号
特集:ことばをめぐる包摂と排除

[編]『ことばと社会』編集委員会

貧困の拡大、医療・教育・司法の機能不全、難民、ジェンダー差別、レイシズム、「民族」差別、少子高齢化、さまざまなマイノリティの抑圧……、これら社会的課題のすべてに、ことば、言語、コミュニケーションがかかわっていることは言うまでもない。ことばをめぐる包摂と排除という多面的現象について記述・分析をおこなうことで、読者に気づきを喚起する。

→右欄の「くわしい内容」から、中を少しだけご覧いただけます!

[リンク]
本誌掲載の手話連載、榧陽子・小野広祐・森田明著「バイリンガル・バイカルチュラルろう学校、明晴学園の現状」の手話言語版を、YouTubeでご覧いただくことができます。
https://youtu.be/U7UAsbz_KXc

定価=本体 2,600円+税
2023年10月25日A5判並製/268頁/ISBN978-4-88303-581-6





描く、観る、演じる アートの力

芸術療法はなぜ心にとどくのか

[編]東大アートと精神療法研究会
[著]渡邉慶一郎大塚尚鬼塚淳子澤田欣吾小佐野重利

芸術療法は、なぜ、どのようにこころに働きかけるのだろうか。こころとアートが紡ぎ出す言葉にならないイメージやその表現の世界が語りかけるもの。

[書評・紹介]
『月刊美術』No.579(2023年12月号、サン・アート)、「ART BOOKS新刊案内」

定価=本体 2,500円+税
A5判並製/188頁/ISBN978-4-88303-580-9





鬼門としての韓国行

『火山島』への道

[著]金石範

韓国という鬼門をくぐり、仰ぎみれば、 漢拏山が!
1948年、3万余人といわれる血塗られた犠牲をうんだ済州島「四・三事件」。民族解放・民衆抗争としての「四・三」復権と解放に生涯をささげ、大作『火山島』を書きあげた金石範。 42年ぶりの故国訪問から13回にわたる韓国紀行を読む。

[書評・紹介]
《図書新聞》2024年1月20日号、評者:呉世宗氏

【電子書籍版もあります】

定価=本体 5,000円+税
A5判並製/564頁/ISBN978-4-88303-576-2





バロック

文化、神話、イメージ

[著]アンドレア・バッティスティーニ
[訳]高橋健一

従来の価値が転倒し、幻惑的な過剰さが満ちる強烈なまでに劇的な時代。
バロックは単なる一様式ではなく、世界にたいする人間の総合的な態度だ。イタリアに始まりヨーロッパ各国に広がった、秩序と無秩序が壮大に渦まく 17 世紀バロックの文化――文学、修辞学、哲学、科学、美術、音楽――の特質を顕在化させる。

[書評・紹介]
『美術の窓』No.482(2023年11月、生活の友社)、「新刊案内」
『月刊美術』No.578(2023年11月号、サン・アート)、「ART BOOKS新刊案内」
《読書人》2023年11月10日、評者:宮下規久朗氏
《図書新聞》2024年2月17日、評者:尾形希和子氏

定価=本体 4,500円+税
2023年7月31日A5判上製/404頁/ISBN978-4-88303-538-0





ニーチェ 知のゆくえ

一  知への問い

[著]仲井幹也

著者の哲学への入口にはニーチェがあり、哲学について考えるときの中心にあるのも、またニーチェである。
なにゆえに、ニーチェは、古代ギリシャの哲学者プラトンに対して批判的なのか。著者は、善のイデアによる「普遍的な知」を語るプラトンに対するニーチェの誤った捉え方の淵源を、プロティノス/アウグスティヌスによって生まれた「歴史的知の断裂」に見る。『ニーチェ 知のゆくえ』三巻本の第一書。

定価=本体 1,600円+税
四六判並製/164頁/ISBN978-4-88303-571-7





ニーチェ 知のゆくえ

二  知と非知

[著]仲井幹也

人間の知のはかなさを語り、人間知性の与らなかった数々の永遠が存在したのだと語るニーチェ。科学・芸術・宗教・哲学、それら人類の知の総体を構図化して再考する上で、ニーチェがたちむかわざるを得なかった哲学の巨星の一人が、カントである。カントの正しい姿を知る上で、ヘーゲルもまた著者は対比的に論じざるを得ない。二人の哲人のテキストを精査することで、この時代を超えんと格闘する知のあゆみをたどる。『ニーチェ 知のゆくえ』三巻本の第二書。

定価=本体 2,400円+税
四六判並製/256頁/ISBN978-4-88303-572-4





子供に子供の美術を

[著]松岡宏明

問いつづけることで見えてくる、子供が美術することの意味――
「子供の美術」の魅力、あり方、すすめ方を、園や小学校での活動例をよみときながら探究していきます。子供と美術をめぐる、楽しく、温かな、読む実践集。

[書評・紹介]
『月刊美術』No.577(2023年10月、サン・アート)、「ART BOOKS 新刊案内」
『教育美術』2023年11月号(公益財団法人 教育美術振興会)、評者: 細谷僚一氏
《図書新聞》2023年11月11日号、評者:宮田徹也氏
『教育美術』2024年1月号(公益財団法人 教育美術振興会)、特集「マイ・ベスト・ブック」、選評:清田哲男氏
《日本経済新聞》2024年1月20日、BOOKガイド

定価=本体 1,700円+税
2023年7月20日A5判並製/160頁/ISBN978-4-88303-575-5





モーリス・ドニ イタリア絵画巡礼

芸術の主題をもとめて

[著]モーリス・ドニ 
[監修]小佐野重利 
[訳]福島勲

フランス人画家ドニが旅した百年前のイタリア――。
昔日と変わらない歴史的遺構を残しながらも再開発の波が街を少しずつ変化させ、ファシズム運動が不穏な高まりをみせていた百年前のイタリア。フランス人画家ドニはシチリア、ローマ、シエナ、フィレンツェ、ヴェネツィア、パドヴァ各地をめぐり、その旅を記録する中で、みずからの生きる時代の美術のゆくえを見定めていった。

[書評・紹介]
「図書新聞」10月14日号、評者:阿部真弓氏(美術史家)
「読売新聞」2023年10月8日、評者:小池寿子氏(國學院大學教授)
『美術の窓』2023年10月、「新刊案内」(生活の友社)
「読書人」2023年9月8日、評者:小泉順也氏(一橋大学教授)
「秋田さきがけ」2023年8月26日「イタリア絵画巡礼」
『月刊美術』2023年9月、No.576、「ART BOOKS 新刊案内」(サン・アート)

定価=本体 2,500円+税
2023年6月30日 四六判並製/276頁/ISBN978-4-88303-552-6





竹内亮:レンズを通して見た本当の中国

[著]竹内亮
[編]黄立俊

南京、武漢のコロナ禍の日常をカメラで追い、日中両国で脚光を浴び、一躍網紅(ワンホン)(ネット上の人気者)となった、中国に移住した日本人ドキュメンタリー監督の中国での記録と「私がここに住む理由」。日中の複雑な相互理解と文化的差異と誤解のもつれを、カメラを通してあるがままの姿を伝えることで、ときほぐしていく。

[書評・紹介]
「読書人」2023年10月6日、評者:湊千尋氏

定価=本体 1,800円+税
2023年7月20日四六判並製/196頁/ISBN978-4-88303-573-1