お知らせ

★2024.11.12 『図書新聞』11月16日号にて『戯曲 したい時に結婚するわ』[著]グギ・ワ・ジオンゴ+グギ・ワ・ミリエ [訳/解説]宮本正興の書評が掲載されました。評者は、粟飯原文子氏(法政大学教授)です。 有り難うございます。 「この物語は、遠い世界の昔の他人事ではありえない」
★2024.11.12 遅ればせですが、11月1日『週刊読書人』にて、『セザンヌと『知られざる傑作』』佐野栄一/著の書評が掲載されました。評者は荻野哉氏(大分県立芸術文化短期大学教授)です。ありがとうございます。 「真実の美」を追い求めて――セザンヌ的審美眼から生まれた新たな芸術論

新  刊

西洋美術研究  No.21

特集:美術とテクネー

[編]『西洋美術研究』編集委員会

 

定価=本体 2,900円+税
2024年10月31日B5判並製/276頁/ISBN978-4-88303-595-3





ことばと社会 26号
特集:言語マイノリティ:人権の拡張か、文化遺産の保護か

[編]『ことばと社会』編集委員会

「言語的多様性の尊重」という理念は、今日、国際世論として定着しつつある。その議論や具体的な法制化が多方面にわたって展開される過程を、「話者の権利」と「言語の文化遺産化」という二つの潮流を座標軸として捉えることで、国内外の多様な「言語マイノリティ」、そして「マイノリティ化された言語」の現在を俯瞰する。

定価=本体 2,600円+税
2024年10月25日A5判並製/360頁/ISBN978-4-88303-599-1





越境文化演劇

[著]ギュンター・ヘーグ
[監訳者]平田栄一朗 津ア正行
[翻訳者]石見舟 北川千香子 栗田くり菜 針貝真理子 三宅舞 ほか

演劇の遊戯性が原理主義の幻想を解体する。グローバル化と原理主義が絡み合う世界で、多文化主義をさらに超えた、異他なる者との共生を導く実践と思考。

【電子書籍版もあります】

定価=本体 3,500円+税
2024年10月25日A5判上製/304頁/ISBN978-4-88303-597-7





同盟から決別へ台湾学研究叢書)

グローバル資本主義下の台湾企業と中国

[著]呉介民(Wu Jieh-min)
[訳]日野みどり

広東モデルなくして中国の台頭はなく、こんにちの中国モデルもなかった。本書は、台商の果たした役割を射程に、 珠江デルタ地域での 長期の現地調査で得た実証的データをグローバル価値連鎖理論に依拠して解読する。台商と在地体制・官僚の同盟関係とその終焉、資本家と国家による農民工への二重搾取、自前の価値連鎖の構築を図る中国の目論見とその制約要因などを論じ、「レントシーキング開発国家中国」の概念を打ち出す。世界が中国の政治・経済の先行きに強い関心を持つ今、本書は全く新しい視座を提供する。

【電子書籍版もあります】

定価=本体 7,000円+税
2024年10月15日A5判並製/610頁/ISBN978-4-88303-596-0





白色テロをくぐり抜けて

[著者]孫康宜
[訳者]杉本史子

第二次大戦後、台湾戒厳令下の恐怖政治の時代、白色テロに襲われた一家族の証言。10 年もの間、無実の政治犯として囚われた父親、そして家族を襲う悲劇。しかし周りの人々に支えられ、ついには家族の解放と穏やかな生活をとりもどす。アメリカ在住の女性学者がつづる国境を越えたファミリーヒストリー。

【電子書籍版もあります】

定価=本体 2,600円+税
四六判並製/320頁/ISBN978-4-88303-593-9





社会言語学の副読本

異なる言語話者達でつくるコミュニティ

[著]猿橋順子

「世界の言語」の大海原へ――
グローバル化は、「多言語社会」を誰にとっても日常のものにした。本書は、身のまわりに見出される「世界の言語」を深掘りしてみることで、ことばが異なる人、一人ひとりが、互いの違いを尊重し、安全で活力のあるコミュニティを共に築いていくための、あり方を探究する。
行政や企業の多言語対応から、街歩きでの多言語探しの愉しみまで、グローバル・コミュニケーションの羅針盤となるエッセイ集。

【電子書籍版もあります】

定価=本体 2,300円+税
2024年8月25日A5判並製/248頁/ISBN978-4-88303-594-6





セザンヌと『知られざる傑作』

近代絵画の誕生と究極美の探求

[著者]佐野栄一

バルザック『知られざる傑作』の、究極の美を求めた果てに破滅する主人公フレノフェールこそ「私だ」とセザンヌは自分を指さした。
画家をめざす友を信じて励まし続けてきたゾラ。だが彼の小説『制作』はセザンヌの探求する〈美〉を理解しえないことを晒し、二人は決別する。
二つの小説を手がかりに、近代美術誕生期の芸術観と、その渦中で生きた者たちの友情の機微に深く分け入る。

【書評・紹介】
《週刊読書人》2024年11月1日、評者:荻野哉氏

【電子書籍版もあります】

定価=本体 2,800円+税
2024年8月20日四六判上製/296頁/ISBN978-4-88303-592-2





もう一つの世界文学――多言語文学叢書  ケニア/ギクユ語

戯曲 したい時に結婚するわ

[著]グギ・ワ・ジオンゴグギ・ワ・ミリエ
[訳/解説宮本正興

英語と決別し、民族語作家へ転身した現代アフリカ文学界の巨星、ケニアのグギ・ワ・ジオンゴらによる最初のギクユ語演劇作品。独立まもない70年代に地元の人々により野外舞台で演じられたが、やがて禁止処分に。何千何万というケニア人の死をもって贖われたイギリス植民地からの独立の大義が裏切られ、日本やアメリカを含むグローバルな搾取の構造のなかでの新旧カミリズ村の経験は、ケニア近現代史の縮図であるとともに、アフリカ全土、はては世界のポストコロニアル国家の底辺に生きる農民や労働者の生きざまをリアルに照らし出している。

【書評・紹介】
《図書新聞》2024年11月16日、評者:粟飯原文子氏

【電子書籍版もあります】

定価=本体 3,000円+税
B6判並製/400頁/ISBN978-4-88303-560-1





地中海学研究  XLVII (47号)

[発行]地中海学会
[発売]三元社

地中海学会発行の1978年以来続く年報の最新号。 今号は論文4本、書評1本、大開記念講演1本、2023年の学会大会シンポジウム要旨を所収。

地中海学会

定価=本体 3,000円+税
2024年5月31日
B5判並製/134頁/ISSN0911-8802/ISBN 978-4-88303- 590-8





「台湾」の文化史 (台湾学研究叢書)

国民料理の創造と変遷

[著陳玉箴(Yujen Chen)
[訳]天神裕子
[解説]岩間一弘

「台湾料理」とはなにか? 本書は国宴、高級レストラン、夜市、庶民の食卓にのぼるさまざまな料理を紹介しつつ、「台湾菜(台湾の料理)」という概念が100年の間にいかに定義され、表現され、実践されてきたかを検証するものである。日本の台湾統治と第2次大戦後の権威主義的政権もまた、多くの新たな飲食の要素を台湾に持ちこみ、民主化後の、現在の「台湾」を形づくってきた。つまり「台湾料理」とは何かを問うことは、まさにこの100年余にわたって台湾社会がいかに大きな変化を経てきたかを理解することなのである。

[書評・紹介]
《朝日新聞》2024年7月27日、「好書好日」、評者:長沢美津子氏

【電子書籍版もあります】

定価=本体 5,000円+税
2024年6月15日A5判並製/488頁/ISBN978-4-88303-591-5





言語、文化の狭間(あいだ)で

歴史における翻訳

[編]平田雅博原聖割田聖史

本書は、「翻訳」を歴史的な事象の中でとらえ直していくことを目的とするものである。
歴史学的に「翻訳」を考えるメリットは、歴史的な知見・研究史に照らして、翻訳を取り巻く長期的諸条件をより俯瞰的に見ていくことを可能にする点にあるといえるだろう。

定価=本体 3,000円+税
2024年3月25日A5判並製/300頁/ISBN978-4-88303-587-8





辺縁の自由人

ある歴史学者の選択

[口述者]李永熾
[筆記者]李衣雲
[訳者]嶋田聡深串徹飯田直美北口(和田)英穂

日本植民地期に生まれ、国民党独裁時代を生き抜き、自由化・民主化運動のなかに身をおき、知的営為と実践を通して、台湾の自由・民主・独立を目指した歴史学者の半生記。それは、台湾人の苦悩と闘い、そして希望へと繋がる民衆史でもある。

【書評・紹介】
《朝日新聞》2024年6月22日、「好書好日」、評者:安田浩一氏

【電子書籍版もあります】

定価=本体 6,000円+税
2024年3月20日A5判並製/544頁/ISBN978-4-88303-588-5





学びの還流

「書くこと」を基点にした「学習者の学び」と「指導者の学び」

[編著]萱のり子

なぜ、書写・書道を学ぶのか――。
学校教育から成人教育まで、書写・書道の指導にたずさわる11名が、「言葉」「書くこと」「造形」をめぐって展開する「書」の実践集。学習者と指導者双方の学びが円環をなすことで、書における学びが、いわゆる「お習字」の枠を超え、国語、社会、美術、そして生涯にわたる学びへと連鎖していく――学びのあり方「学び観」を提示する。
「書って、なんだかよくわからない」への手がかりとなる一冊。

定価=本体 2,600円+税
2024年3月25日A5判並製/224頁/ISBN978-4-88303-584-7





未来派・飛行機・ダンス

イタリアの前衛芸術における飛ぶ身体と踊る身体

[著]横田さやか

1909年に創始された未来派芸術運動。近代科学の登場に鋭く反応したかれらは機械のダイナミズムが芸術のみならず人間をも更新することを夢想し、その究極として「人間と機械の融合」という、いままさに現実味を帯びる進化の形を見出した。バレエ・リュスなど同時代の舞踊との交差も視野に入れながら、マリネッティら未来主義芸術家が追求した革新的芸術と人間像を明らかにする。

定価=本体 4,500円+税
2024年3月25日A5判上製/384頁/ISBN978-4-88303-589-2





ケルト学の現在

[編]日本ケルト学会
[責任編集]梁川英俊森野聡子

〈幻想〉の宝庫というイメージを纏って喧伝される「ケルト」。――それはなぜか。
紀元前五世紀から長大な時間をかけてケルト概念の上に堆積した歴史の塵を払い、〈学〉としてのケルトの魅力を描出する10篇の論攷。

[書評・紹介]
《南海日日新聞》2024年2月21日
《図書新聞》2024年6月8日、評者:山内淳氏

定価=本体 6,600円+税
2024年3月1日A5判上製/544頁/ISBN978-4-88303-586-1





日本人のモンゴル抑留の新研究

[著]ボルジギン・フスレ

移送・抑留・引き揚げまで
ソ連は対日戦で60万人の日本軍捕虜を獲得し、その中から1万2000人がモンゴルに送られ、苛酷な抑留生活を強いられた。極寒や飢餓、病、苛酷な労働の実態と、日本への引き揚げまでの経過をモンゴルの各文書館に秘蔵されている資料と証言をもとに明らかにする。

[書評・紹介]
《週刊読書人》2024年7月5日、評者:兎内勇津流氏

定価=本体 4,800円+税
2024年2月28日A5判上製/296頁/ISBN978-4-88303-585-4